オリジナル

『左』 2019.0820

また日記に書こうと思っていたことを忘れてしまった。

いや、大体いつも内容は決めていないことが多い。だが、パソコンに向かうと自然と内容が思い浮かぶから、それを元に書き始める。

なんだが、

今日はそのついさっきの考えも忘れてしまったのだ。

 

いいんですよ。そのぶん、今日暗譜したイザイを忘れなければ。

あ、思い出した。

 

右と左を間違える、という話だ。

そうそう、私は右と左をよく間違える。なぜだかわからない。ちなみに、地図は読めないし東西南北は全くわからない。

 

今日も、人に車で送ってもらっていたときに

「次のそこを右に曲がって」

と頼む私の腕は左を指している。なんのこっちゃ、という感じである。

 

なんでなのでしょうねぇ。

よく、右と左を子どもが習うときに「お茶碗を持つほうが右。」というそうだが、お茶碗を持って食べることができるようになる前にヴァイオリンを持った私は、確実に「楽器が左。弓が右。」と覚えこんでいる。

なのですけれども、一旦自分の肉体を離れてしまうと左右が判別できなくなってしまうのだなぁ。これについては、理由も対処法もさっぱりわからない。

このあたりについて、なにか知識がおありの方はぜひご一報ください。

 

あと、今日は小説『ふうあーゆー』のテーマ曲を公開したので、よろしければ小説と併せてお楽しみください。

 

写真は、本来の用途で使ったことがあまりないキャンドルスタンド。

そんな、今日でした。

ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『忘』 2019.0819

今日も思う存分練習をした一日だった。

昼は山に行き、少し休んだら練習をする。

 

ヴァイオリンを弾き、ピアノを弾く。

全部、暗譜だから身体も頭も使い放題、という感じだ。(この場合の主体はどこにあるのかと言われると、使おうとする私自身、ということになるのか。)

 

この、自分で自分を酷使するのはいろいろできるようになっていくし、それが気持ちいいのだけど、一つ大きな欠点がある。

 

それは、

 

使いすぎて、他のことができなくなって今朝のことも忘れる。

 

ということ。

 

この事実はいいことなのか、悪いことなのか。わからないけれど、25日の本番に向けてやり抜くのみなのです。

そんな、今日でした。写真は、山の向日葵。

ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『夏』 2019.0818

とことん、疲れ果ててしまった。

今度の曲目は(いつもそうなのだが)とても難しい。

 

オリジナルのピアノソロも、難易度が上がってしまった。そういうものを書いてしまったのだ。どうして、弾けないのに。でも、そのほうがかっこいいから。

 

それに、ヴァイオリンで弾くクラシック曲がまた一段と難しい。そういうものを選んでしまった。だって、夏だもん。

 

夏って、とことんやり遂げたくなってしまいませんか?

夏のあの日の試合。あのときの試験。

 

私にとっての夏は、夏休みの夏じゃなくて、勝負するほうなんだな。

 

でも、年中そうなのかもしれない。。。

と、結論が出ないのも疲れのせいにして晩ごはんをたらふく食べました。全粒粉のパスタ。こう見えて、チーズを多く使っている。

 

そんな、今日でした。

ソロコンサート「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。年内ラストは8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

 

『弓』 2019.0817

今日は、一ついいことがあった。

大体、毎日何かいいことがある人生なのだが、今日のもすごく良かった。

 

それは、弓が軽く扱えるようになった、ということ。

 

ヴァイオリンの音楽のほとんどは右手に集中しているんじゃないかと思っていて、自分がそう思うことへの「答え」が見つかったような気がして、嬉しい。

もちろん、これで右手のテクニックが完璧になったわけではないから、そこはまだまだずっと長い道のりがあるわけですが。

 

きっと、毎日こう練習をして山歩きや運動をして創作をしていることがとてもいいんだろうな、それで毎日何かいいことが起こるのだろうな。楽しいな。

写真は、お気に入りの花器。

 

そんな、今日でした。

 

ソロコンサートシリーズ「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

ふうあーゆー⑤

。。。どうやら、このケイタって男はいいやつのようだ。。。捺美ちゃんが急に俺を連れてきても文句も言わないし、俺に対しても親切に接してくれる。。。しかも、名門大学の学生だろ?

くっそぉ、俺が人間だったとしても、何も敵わないじゃないか。。。捺美ちゃんが好きになる男がいい男なのは嬉しいが、でもあまり嬉しくないぞ。。。

 
出された牛乳を前にすると、俺はまた心底悲しくなった。

 

なんで俺はこんな這いつくばって皿を床に置かれて飲まないといけないんだ。。。

亡くなった母さんはテーブルマナーにも厳しかったようで、親父は俺と二人きりになったあともそれだけは俺に躾てくれた。スプーンもなく飲むだなんて、俺は前世でどんな罪を積んだんだ。。。

 

その様子を見ていたのか、ケイタは

「そっか。。。寂しいんだな。悪かったよ。無理に飲まなくていいよ。あとで、いいもの買ってきてやるからさ。ちょっと待っててくれよ。お前を悲しませると、捺美が悲しがるからな。」

あ、そっか、捺美ちゃん。。。俺が悲しんでいると捺美ちゃんも悲しいのか。。。と、思ったけれど、身体は全く動かなかった。

「いいよ、好きにしてな。なんか、おもちゃになるものないかなー。あ、これがあった。」

 

ケイタは部屋の奥から何やら毛糸の塊を持ちだした。

「捺美が編み物しようとしてできなかった残りだよ。お前、捺美好きだろ?」

情けないとしか言いようがないのだが、捺美ちゃんの匂いだけが俺を保ってくれるたった一つの精神安定剤だった。

 

とりあえず毛糸に顔をうずめる。はぁ、なんてことだ。。。

「じゃ、俺買い物行ってくるから。慣れないと思うけど、悪いな。」

 

 俺は一人になった。

 

『次』 2019.0816

基本的に、目の前のことに全力投球してのちやむ、という人間なのですが

わりとすぐに切り替わるほうだ。

 

だから、目の前の練習に打ち込んであともう死ぬ、私もうだめ。

と、なりながら日記もやるし

なんだかんだ、体操したり軽い運動をして

本当にボロボロになって眠る。

 

こんなことを繰り返している。

 

だから、楽器から離れたときには全く違うことを考えていることが多い。

自分の音楽上の問題、練習で気を付けないといけないこと、こういったことは全く考えない。それらは全て楽器との時間で考える。

 

で、案外そうやって離れた時間に次のアイディアが湧いてくるんだよなぁ。

で、そのために必要な準備など、パパパッと考えて、あとはスケジュール調整。

予め決まっているものとの調整をし、練習の仕上がりを考えていく。急に頭が冴えてくる。

 

で、また楽器を手にしたら、目の前の練習に注ぎ込む。

この繰り返しが楽しいんだ。こんな楽しいこと、ないな~。

 

そんな、今日でした。写真は最近の山の様子。雨上がりの緑が美しい。

これもいろいろ考えている。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『枝』 2019.0815

今日は、連載中の小説『ふうあーゆー』のテーマ曲の下書きができあがった。

下書き、といっても書き留めていないので全ては頭の中だ。

自分の曲は、書くのが面倒で、書いたとしてもメモ程度しか残さないことが多い。今のところ、なので将来どうなっていくかはわからないが。

 

なんか、思いついたメロディや進行、その印象のまま覚えているから書きとめないままなんだよなぁ。それで忘れるかというと、そうでもない。これも今のところ、ですが。

そのうち、年間に100も200も書くようになる予定なのですが、そうなったらさすがに書き留めないと忘れちゃうだろうな。

 

それにしても、練習と創作とどちらもできると非常に清々しい。ちゃんとやった、という気になれる。これで、もうちょっと体調が戻って熱も出なくなれば完璧だから、そこまでがんばろうと思う。

 

写真は、夕飯に茹でた枝豆。塩をまぶして冷ます。

そんな、今日でした。

新曲はここでお披露目。ソロコンサート「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

『良』 2019.0814

今日は、自前の小説第4話を公開した。結構読まれているようだが、皆さんどうだろうか。楽しんで頂けていると良いのだが。

 

で、今日は来週末にせまったソロコンサート『青の時代 vol.4』の準備に取り掛かっていた。最近パガニーニしか弾いていなかったから、いろいろな音楽が新鮮だ。正確にいうと、ずっと熱であまり練習時間も取れないから『パガニーニ・ミーティングス』が終わるまではそれにかかりきりになっている、という状態であった。

体感的には、バッハもコンチェルトも久しぶり。弾いていてすごく気持ちが良かった。

今度は、このシリーズを始めてから眠らせていたイザイをやろう。バッハと関連付けてやりたい。そんな練習をしていて、ソロコンサートで最近弾いているバッハのフーガもひと月ぶりに取り出すと、また感触が違っていて、楽しかった。

 

きっと、パガニーニに集中して、それから他の作曲家。という巡りがいいんだろうな。やはりヴァイオリニストはパガニーニとバッハのような芸術性の高いものを必ず同時にやるべき、と言われる所以が身をもってわかった気がする。

こうして、また私は音楽とヴァイオリンについて語ることが今宵も増えた。

 

幸せな、良い日。

そんな、今日でした。

 

写真は、春過ぎた山の中で。紫陽花だと思うんですが、いかがでしょう。

ソロコンサートシリーズ「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『型』 2019.0813

私はAB型です。

これを言うと、ほとんどの人が「確かに!」「なるほど、よくわかる。」という感想を述べられる。

つまり、

とてもAB型らしい人間だ、ということなのだそうです。

 

とはいえ、自分ではそれはさっぱりわからない。どういうことなのか、理解ができない。

また、そもそも血液型に興味がなく、人の血液型もあまり覚えられない。家族のは知っていますけれど。

血液型なんて信憑性がないよ、と思っていたが、知り合いの経営者の方が面接を受けられる方々の血液型を推測すると的中する、と話していたので、そこから信用するようになった。

 

ちょっと前に言われた私のAB型評として面白かったのは、

「A型気質のほうでは、すごく真面目で丁寧できちんとしたことを言い、とても立派な人のように思えるのに、B型気質のいい加減さ、適当さにみんなびっくりしてしまう。二重人格にしか見えない。」

なるほど。驚かせてしまっているわけか。それは、申し訳ない。

「だからAB型ときくと、すごく納得する。」

ほう。そうでしたか。

 

この日記をお読みの方にも、私のことをとても変わった人だな、とか珍しい人だな、とか感じておられるかもしれないが、それは正にそうなのであって、

日本人の人口の1割しかいないというAB型は珍しい存在だろうし、変わっているという評そのものを持ち合わせているので、やはり私はAB型なのだな、というふうに思う。(なんの結論にも至っていないこういった文章を堂々と載せる辺りにも破綻した気質が見え隠れする。)

 

本日の写真は、また姪っ子加工です。

そんな、今日でした。

私の血液型以上に多面的なソロコンサートシリーズ「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

ふうあーゆー④

「おぉ、ほんとだ、猫だ。」

 

俺たちが着いたのは、どうやらあまり広くない感じの造りのマンションの一室だった。

とにかく、今の俺は身体が小さすぎて全貌が掴めないのだ。

でもどうやらここはワンルームとか、そういう間取りだろう、と思った。ケイタ、と呼ばれた男は俺たちより年上のようだ。

ずいぶん捺美ちゃんと親し気だな。従兄か何かか?

 

「なんか、気になっちゃって。啓太くん、猫飼ってたって言ってたから。それに、うち飼えないし。」

 捺美ちゃんは部屋の床に無造作に置かれた大きめのクッションに座りながら膝の上で俺の背中を撫でている。

「そう、前の花子もいいやつだったんだよなぁ。それにしても、こいつの首輪はなんか変わってるな。」

ケイタは、俺の首元の鈴に手を触れた。あれ?この音、なんか聞いたことがあるぞ?

「なんか、変わった音色だよね。風鈴みたい。」
「そうだな、夏でもないのに風鈴を聴いているみたいだ。不思議だよなぁ、金属に見えるのに。」

「じゃ、名前はふうちゃんにしよっか!」

「風鈴のふう?いいな。よし、お前は今からふうだぞ。と言っても、もしかしたら誰かのペットかもしれないし、拾ったところの住所とこいつの写真撮ってSNSに載せるとかしたほうがいいかもしれないな。あ、あと獣医にも連れてかなきゃ。病気とか怪我してないか診てもらわないと。」
「そうだね!さすが圭太くん!」

 

 それは確かにいい考えだ、このケイタって男は信用できそうだ、と思った瞬間、信じられない出来事が俺の頭上で起こった!

 

「う。。。ん」

 

 なんと、なんとなんとなんと捺美ちゃんがケイタとキスしている!こいつは、俺のライバルだったのか!というか、俺、どうしようもなく負けちゃってるじゃないか!!どうしたらいいんだ!!

 思わず膝の上で頭を抱え込もうとバタバタしてしまい、二人はそれ以上の行為を続けることをやめた。

「なんか、人間味あるなぁ、こいつは。」

 

俺は、あっさりとケイタに抱きかかえられる。

あぁ~、嫌だ、嫌だよ、離せよちくしょう!暴れても一向に自由にならない。

捺美ちゃんがふふっとあの可愛らしい笑顔で笑いかけた。

 

「ふーちゃん、ケイタくんはペットにも優しいし、ここでならまた会えるから、ワガママしないでいい子にしててね。」

 捺美ちゃんに言われちゃあしょうがない。。。俺はあきらめるしかなかった。

 

「じゃあ、私は塾に行くから。獣医さんとか、お金かかるよね?大丈夫?」

「大丈夫大丈夫。そのくらいはバイトで稼いでるから。万一かなりかかりそうだったら友達に相談するよ。獣医学部に行ってる人、知り合いにいるからさ。」
「さっすが名門!私も目指してがんばろーっと!」
「捺美の成績なら大丈夫だよ。」
「うん、あとでまたラインするね。」

 捺美ちゃんは出ていき、俺はケイタと二人きりとなった。

「さて、と。まずお前の写真撮らなきゃなー。この鈴と首輪もよく写るようにしなくっちゃな。黒猫なのはみりゃわかるだろ。」

 

ケイタはクッションに俺を座らせてスマホで何枚も撮影した。

さっきまでの捺美ちゃんのいい匂いがぷんぷん漂ってくる。

俺は感覚も猫になってしまったらしい。捺美ちゃんのいい匂いを感じられることは嬉しいんだが、でも、嬉しくない。
 

 

そこからケイタは知り合いに電話し始めた。

「はい。。。はい。うん、見た目はそんな小さくないのと、元気そうなんですよね。じゃあ、予防接種と、去勢手術くらいですかね?。。。あ、そっかぁ。飼い主がいる場合がありますね。。。わかりました。ありがとうございます。」
 

きょ、去勢手術ぅ!!?そんなことされて俺、人間に戻ったとき大丈夫なのか!!??

 

俺のドギマギが伝わったのか、電話を切ったケイタは人懐っこい笑顔で俺に話しかけた。

「なーんだ、お前も男だから気にしてんのかぁ?大丈夫だよ。とりあえず飼い主さんを見つけるまでは手術はしないさ。首輪してる猫は飼われている可能性が高いらしいからな。3か月はそのまんまだ。」

さ、三ヶ月。。。三ヶ月経ってもこのままだったら、俺、去勢されちゃうってこと!!?まだ、まだなんにもしてないのにぃぃ!!!

「だーいじょぶだって!それより、予防接種は行くぞ。このへんの大きな動物病院調べなきゃな。そこでお前の元の飼い主さんが見つかるかもしれないし。あ、なんか食いたいよな?とりあえず。。。牛乳しかないな。それでいっか?あとで買い物行ってくるから。」