コンテンポラリー

『飴』 2019.1117

このところ、ずいぶんと心身が忙しくなってしまっていた。

まだ、忙しいことに慣れていないからなんだろうな。演奏も、文章もあれこれ考えて実践することを順繰りにやるのだけでも精一杯となってしまっており、

なんというか、

呼吸もできていなかった。

 

そんな気がする。

 

まぁ、具体的に挙げてみると

先週末から2~3日熱で寝込む。水曜日は楽器の調整、ついでに母親と会う。翌日は練習。金曜日は神田の海老原商店でコンテンポラリーダンサーの青木尚哉氏主宰のEBILABOで氏の新作ダンス「B氏の妄想」に出演。昨日は練習。今日は、恩師のご指導を仰いできた。

 

合間に、来年初頭の面白い企画のお話しとか、準備とかそんなのもあって、

 

何しろ、頭が忙しい気分でした。

 

「B氏の妄想」は面白い作品でしたよ。ダンスなんだけれども、かなり演劇に近い。そこに生演奏兼若干の演技で出演させて頂き、大変楽しい思いをしました。これ、もっと語りたい。ダンスの青木さん、大迫さん、近土さんの実力と才能がバリバリ火花散らしていた本番はめちゃくちゃ気持ちよかった。またやりたい。

終演後に、演者の身体調整のプロであるイワシさんに身体を直してもらったのもすごく良かった。おかげで翌日以降のコンディションがまるで違う。というか、私別人のように上手になりました!!

それをもって師匠へご指導頂き、とても充実したレッスンを受けた。そうしてやっと、頭が解放されたからこうして日記を書くことができている。

 

久しぶりに私の楽器を見た先生。

開口一番「あら、楽器変えた?そんないい楽器持ってたかしら」

いえ、違うんです!弾いているうちに色が変わってきて。

「すごくいい楽器みたいに見えるわよ」

 

そう、ヴァイオリンとは弾いているうちに色が変わるのだ。新作で、もっと黄色に近い色合いだった私の楽器は、最近は飴色のようになってきている。この数か月でもずいぶんと変わってきた。

楽器屋さん曰く、

弾き込んでいくと、どんどんいい色となってくる。

 

そして先生曰く、

弾いている場所の空気や、私の汗、松脂、息なんかで変わってくる。

 

私と、私がやっていることで、楽器の色が変わってくるなんて、

とても光栄で幸福なことではありませんか?

 

ヴァイオリンとは不思議なもので、

いい楽器に見える楽器はいいんです。美しい見た目は美しい音色を醸し出すのです。

 

もう、先生に楽器を褒められただけでも、天にも昇る心地だよ。

 

写真は、そのように見える近所の山の木々。

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

『踊』 2019.1105

私という女は子どものまんまだ。

 

子どもというのは、走ったり歌ったりすることが好きらしい。

あと、踊ることも。

 

そういえば、気が付いた頃には既に文学少女だった私は、走るなどというようなことが大嫌いで家でも外でも走ったり運動したりすることがおよそなかったのだが、

踊ることは別。

 

バレエが大好きで、週2回のバレエのレッスンが唯一の運動となっていたと言っても過言ではないと思うのだ。

 

なぜならばと言うと、

 

姪っ子(現役中学生監修田中幾子写真館の監修者である)が小さいときに家の中で走り踊る様子を見て、私は大変不思議だった。走る。このような行為を見知ったことはない。そう思い、私より遥か歳の離れた姉と母に尋ねると

「だって、えっちゃんは走ったことなんかないから。」「いっつも座ってたよ。」

(※えっちゃんとは、私のことである。)

 

へぇ。

 

であるのだが、この夏に神田の『海老原商店』でコンテンポラリーダンサーを間近に感じて以来、私の踊りたい熱はどんどん高まり、毎晩就寝前にyoutubeでバレエ動画を見ながら練習するようになった。

そういえば、ソロコンサート『青の時代』でも踊っている。

 

この数日ヴァイオリンという素晴らしい楽器と音楽に囲まれて、そして私は今日踊っている。ちなみに歌はいっつも何か歌ってます。だって楽しいから。どちらもすっごくお下手くそなの。

 

そんな、今日でした。

 

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

『減』 2019.1014

最近、いろいろな人と出会うことが多くてとても楽しい。

7月に、たまたま神田須田町の『海老原商店』前を通りかかってオーナーの海老原義也さんと親しくなり、およそ1週間後にはそこで開かれたコンテンポラリーダンスイベント「エビラボ」でバッハのシャコンヌを弾き、ダンサーたちに踊って頂いた。

コンテンポラリーダンサーさんたちは、みな元々はクラシックバレエ出身だという。実際、そばで拝見していても立ち居振舞いなんかも美しいのだ。もちろん、肉体そのものも。

そんなわけで、長いことバレエをやっていなかった私のバレエ熱が燃え上がり、そこからおうちでバレエ動画を見ながら練習する、というおうちバレエを始めることとなった。

 

そうするとですね、あのですね

血のめぐりが良くなるのか、

 

酒が呑めなくなった。

 

正確には、これまでよりも酒量が必要ではなくなってきた、というか。

 

弱いものを、ちびちびやれば十分。これまでの大量の酒は、一体私のどこに消えていたのだ?と自分でも謎めいた人体の不思議を感じるが、

特に、いい動画を見つけて毎日始めた9月からは減った。

 

いいことですよね?

 

いい人に巡り合い、酒の量は減る。

 

とはいえ、呑まない人生はやってこないだろうなと家系を思いながら、夜は更ける。

そんな、今日でした。

 

写真は、先月の「エビラボ」の様子。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』