Notes

『代』 2019.0826

ソロコンサートが終わって夜が明けた。

昨夜はなかなか寝付けなかった。

 

芸術的に興奮すると、眠れない。ここのところは眠れていたのだが、先週から弾く感覚が大きく変わったせいか、子どものころの不眠気味な神経に舞い戻ったかのようだ。

あの頃も、発表会の日の夜は眠れなかったなぁ。翌朝、学校に行くことが辛かった。寝不足で頭痛や気持ち悪さを抱えていたのと、日常に戻ることが辛かったのだ。

 

幸い、今は日常という時間が全て芸術のためだから、幸福だ。

 

今日は、11月24日のデュオコンサート『美会夜会』のための練習を軽くしていた。とても気持ちが良かった。一小節に数十分はかけるような時間が心地よい。

ふと、師匠の石井志都子先生がおっしゃった言葉を思い出した。

 

「私たちは、作曲家の言葉を借りて、表現しているのよ。」

 

代弁。表現するものは、己自身でいい、ということか。

今の私にはそう思えて、殊更心強く思えた。

 

写真は、里山散策中に見かけた梨の木。たわわに実る、作物と芸術。

そんな、今日でした。

「迫力」を音にするとこうだ!ヴァイオリン・ピアノデュオコンサート『美会夜会』11月24日19時開演。原宿カーサ・モーツァルトにて。

オールパガニーニシリーズ10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

『表』 2019.0824

明日のコンサートに向けて、練習している。

私は、決してそんなものは望まないのに、とても不安定な性質で、そのときのコンディションや環境といったものからかなり影響を受けやすい。そのせいか、いいときと悪いときとでムラが出やすい。

それを分かっているから、また練習するのだが、

最近はとても変化が激しくて、やればやるほど次の課題が尽きず、

どこまで行ったっても天井は見えない。。。

そんな、状態になっている。

 

こうなると、不安しかなくなってしまう。

 

ただ、この数日の大きな変化の流れとして今までと違うのは、

6時間さらっても腕が疲労しなくなった。

 

そして、表現できる喜びが大きく、楽しみで仕方ない。なんて気持ちのいいことを私はしているんだろう、こんな愉快なこと他にあるかしら。

そんな気持ちでいる。

 

歌もピアノも、感じ方がまるで違う。。。なんなんだろう、これは。

 

自分でも新しい自分に戸惑っていますが、明日は精一杯のパフォーマンスをお届けします。

写真は、これも若干練習の成果が見えてきた自撮り。

 

そんな、今日でした。

ソロコンサート.ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『己』 2019.0823

今日はずっと練習をしていた。

といっても6時間くらいだ。

大体、私の練習は長くて6時間くらい、ということが多い。

気がつくと、あっという間にそのくらい経っているんだよなぁ。

 

今回は、25日の曲目が今までと違って、自分自身の限界を大きく拡げる方向にしているから、集中力や気力の問題もあり、入念な確認をしている。

 

ピアノソロの練習をしていて、ふと気が付いたことは、

私はこうして自分のやりたいことを表現することが一番生きている心地がする、ということだ。

 

だから、自分の思うままのプログラムを組み、自作自演も含めたこのソロコンサートシリーズは、正に田中幾子そのものを表していると言っても過言ではないと思う。それに、これが、一番楽しい。

 

というわけで、ひとまずソロコンサートは今回でおしまいとなるのですが、来年以降は何かまた違うものを携えて皆さまの前にお目見えしたいと思っております。

ま、その間にアンサンブルコンサートがあるから、ぜひそちらもお楽しみに!!

 

写真は、子どもの頃から大好きなままのパディントン。佐賀から連れてきた。

そんな、今日でした。

ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

『変』 2019.0822

私がそういうタイプなのか、それとも今がそういう時期なのか。

 

音楽において、変化が激しい。

 

それは、テクニック的な意味もあるし、音楽的な意味もある。

 

だから、毎日練習していて、毎日変わっていく。

 

この、変化が如実に現れるのは、実は暗譜との兼ね合いの部分においてなのだ。

 

暗譜というのは、私の場合は、楽譜の見た目とともに動きで覚えている配分も大きい。よって、テクニックの変化があるとその影響をもろに受け、覚えているはずの箇所を失敗する。音楽的な変化からも同じことが言える。リズムの捉え方が変わると必ず失敗する。

こういうことが、実に多い。

 

簡単だと思っていた、例えばパガニーニの『カンタービレ』のような今まで幾度となく演奏してしてきている作品においても、そうなる。

 

そうなってしまうと、もちろん怖い。

だから、練習をする。

 

練習の結果、また次なる変化が生み出されるのであるが、

練習以外に変化の先の栄えある芸術を導きだすものは、存在しないから。

 

写真は、今日のおやつ。おやつと称して、これにバゲットを添えて食するのであるから、大した食欲である。

そんな、今日でした。

ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『望』 20190821

いやぁ、もう今夜も腕がボロボロである。

最近は特に左腕がボロボロになる感じがする。そういう曲なのかもしれない。

バッハの無伴奏に、コンチェルト。それだけでも腕がくたびれるのは当たり前のことなのだが、毎晩こうなって、その都度同じ感想を抱いている。

全く成長のないものだ。

 

で、ここまで腕がくたびれた頃には脚も相当疲れている。立っているのも嫌だ、というくらいにはなっているものだ。

もう私は速く泡風呂に浸かってふかふかのお布団で犬でも抱っこしてお姫様パジャマ着てごろごろしたい。

そんな、理想を抱くのもいつもと同じだ。

 

しかし、うちには泡風呂になるような入浴剤はないし、そもそも買ったこともないし、ベッドは古くてふかふかには程遠いし、犬も飼っていない。お姫様のようなパジャマに至っては、そんなもの趣味じゃないよ、というのが実際の声である。

 

と、わけのわからないことを書きながら、明日ももっとうまくなれそうだな!という希望を抱いている今。

そう思っているうちにとっとと寝ちまおう。

 

写真は、らっきょうの甘酢漬けを頂いたもの。手作りの味が、美味しかった。

そんな、今日でした。

ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

『忘』 2019.0819

今日も思う存分練習をした一日だった。

昼は山に行き、少し休んだら練習をする。

 

ヴァイオリンを弾き、ピアノを弾く。

全部、暗譜だから身体も頭も使い放題、という感じだ。(この場合の主体はどこにあるのかと言われると、使おうとする私自身、ということになるのか。)

 

この、自分で自分を酷使するのはいろいろできるようになっていくし、それが気持ちいいのだけど、一つ大きな欠点がある。

 

それは、

 

使いすぎて、他のことができなくなって今朝のことも忘れる。

 

ということ。

 

この事実はいいことなのか、悪いことなのか。わからないけれど、25日の本番に向けてやり抜くのみなのです。

そんな、今日でした。写真は、山の向日葵。

ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

『夏』 2019.0818

とことん、疲れ果ててしまった。

今度の曲目は(いつもそうなのだが)とても難しい。

 

オリジナルのピアノソロも、難易度が上がってしまった。そういうものを書いてしまったのだ。どうして、弾けないのに。でも、そのほうがかっこいいから。

 

それに、ヴァイオリンで弾くクラシック曲がまた一段と難しい。そういうものを選んでしまった。だって、夏だもん。

 

夏って、とことんやり遂げたくなってしまいませんか?

夏のあの日の試合。あのときの試験。

 

私にとっての夏は、夏休みの夏じゃなくて、勝負するほうなんだな。

 

でも、年中そうなのかもしれない。。。

と、結論が出ないのも疲れのせいにして晩ごはんをたらふく食べました。全粒粉のパスタ。こう見えて、チーズを多く使っている。

 

そんな、今日でした。

ソロコンサート「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。年内ラストは8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

 

『弓』 2019.0817

今日は、一ついいことがあった。

大体、毎日何かいいことがある人生なのだが、今日のもすごく良かった。

 

それは、弓が軽く扱えるようになった、ということ。

 

ヴァイオリンの音楽のほとんどは右手に集中しているんじゃないかと思っていて、自分がそう思うことへの「答え」が見つかったような気がして、嬉しい。

もちろん、これで右手のテクニックが完璧になったわけではないから、そこはまだまだずっと長い道のりがあるわけですが。

 

きっと、毎日こう練習をして山歩きや運動をして創作をしていることがとてもいいんだろうな、それで毎日何かいいことが起こるのだろうな。楽しいな。

写真は、お気に入りの花器。

 

そんな、今日でした。

 

ソロコンサートシリーズ「青の時代」ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は年内ラスト8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

 

ふうあーゆー⑤

。。。どうやら、このケイタって男はいいやつのようだ。。。捺美ちゃんが急に俺を連れてきても文句も言わないし、俺に対しても親切に接してくれる。。。しかも、名門大学の学生だろ?

くっそぉ、俺が人間だったとしても、何も敵わないじゃないか。。。捺美ちゃんが好きになる男がいい男なのは嬉しいが、でもあまり嬉しくないぞ。。。

 
出された牛乳を前にすると、俺はまた心底悲しくなった。

 

なんで俺はこんな這いつくばって皿を床に置かれて飲まないといけないんだ。。。

亡くなった母さんはテーブルマナーにも厳しかったようで、親父は俺と二人きりになったあともそれだけは俺に躾てくれた。スプーンもなく飲むだなんて、俺は前世でどんな罪を積んだんだ。。。

 

その様子を見ていたのか、ケイタは

「そっか。。。寂しいんだな。悪かったよ。無理に飲まなくていいよ。あとで、いいもの買ってきてやるからさ。ちょっと待っててくれよ。お前を悲しませると、捺美が悲しがるからな。」

あ、そっか、捺美ちゃん。。。俺が悲しんでいると捺美ちゃんも悲しいのか。。。と、思ったけれど、身体は全く動かなかった。

「いいよ、好きにしてな。なんか、おもちゃになるものないかなー。あ、これがあった。」

 

ケイタは部屋の奥から何やら毛糸の塊を持ちだした。

「捺美が編み物しようとしてできなかった残りだよ。お前、捺美好きだろ?」

情けないとしか言いようがないのだが、捺美ちゃんの匂いだけが俺を保ってくれるたった一つの精神安定剤だった。

 

とりあえず毛糸に顔をうずめる。はぁ、なんてことだ。。。

「じゃ、俺買い物行ってくるから。慣れないと思うけど、悪いな。」

 

 俺は一人になった。

 

『次』 2019.0816

基本的に、目の前のことに全力投球してのちやむ、という人間なのですが

わりとすぐに切り替わるほうだ。

 

だから、目の前の練習に打ち込んであともう死ぬ、私もうだめ。

と、なりながら日記もやるし

なんだかんだ、体操したり軽い運動をして

本当にボロボロになって眠る。

 

こんなことを繰り返している。

 

だから、楽器から離れたときには全く違うことを考えていることが多い。

自分の音楽上の問題、練習で気を付けないといけないこと、こういったことは全く考えない。それらは全て楽器との時間で考える。

 

で、案外そうやって離れた時間に次のアイディアが湧いてくるんだよなぁ。

で、そのために必要な準備など、パパパッと考えて、あとはスケジュール調整。

予め決まっているものとの調整をし、練習の仕上がりを考えていく。急に頭が冴えてくる。

 

で、また楽器を手にしたら、目の前の練習に注ぎ込む。

この繰り返しが楽しいんだ。こんな楽しいこと、ないな~。

 

そんな、今日でした。写真は最近の山の様子。雨上がりの緑が美しい。

これもいろいろ考えている。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』