Notes

『始』 2019.0803

小説を書き始めた。

今回公開したのは、1、2週間ほど前に一晩で書き上げたもの。自分としてはいわゆるライトノベルというジャンルに属するような出来ではないか、と思っている。

なぜ、これを書いたのかというと、

 

本来取り掛かるべき私の『雨女』が難航しているから。

 

仕方ない、これまで小説というものをまるで書いたことがないんだもの。そう思って、一旦離れて全く違うものを書いてみよう、と思った。そうしたら20分くらいでテーマと内容がイメージできて、あとは書くだけとなった。

子どもの頃から、創作するときにはこうやって完成図が見えていると楽に簡単にできるんだよな。しかも、いいものができやすい。

 

ただ、最近作曲も取り組むようになってからは、時間をかけて練っていくやり方でも案外いいものを作れるようになってきた。いろんなやり方に慣れていきたいです。

 

で、これのテーマ曲のイメージも半分くらいできあがっているから、細部を仕上げて練習してお披露目できるようにしたいと思っています。

 

パガニーニシリーズやソロコンサートと含めて、いろいろと楽しんで頂ければ幸いである。

そんな、今日でした。

テーマ曲はこちらでお披露目予定。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

 

『休』 2019.0801

案外知られていない事実だが、音楽家には耳の休息が必要である。

これは、ほかの分野の方々はどうなのだろう。画家は眼を休めたり、小説家は書物から離れたりするのだろうか。私はよく知らない。

 

プロの音楽家はきっとみなそうなのだと思うのだけれども、音楽を耳にした瞬間に無意識のうちにかなりのことを考えてしまうから、聴覚というより脳が働くんだよね。弾き方、アンサンブル、バランス、テクニックと芸術性、録音物なら録音の仕方、どういう人に向けた音源作成なのか等々。ちょっとしたBGMだってそうなってしまう。

 

で、最近気がついたのは、

山歩きは最高に耳の休息となる、ということ。

 

まず、街中の音が聴こえてこない。アスファルトをこするタイヤの音、電車の音、店屋から流れ出る音楽や宣伝文句、これらがこの首都圏ではアスファルトと更に建築物により互いに反響しあって大音量となっているものが、入ってこない。

 

聴こえるのは、鳥の鳴き声、虫の羽音。蝉の大音量だって山の中ではたいして反響しない。土は音を吸収するのだ。全ては柔らかい音となる。

これは都会に生きる音楽家には必要なことなのではないかな、とも思うようになってきた。

 

というわけで、本日も大変幸せな田中幾子なのです。こういう時間があるから、パガニーニも創作もがんばれる。今夜は、お遊びで書いた小さい小説が思いのほか面白い出来となったから、公開できるように準備しよ。

 

写真は、淹れたいからわざわざこういうのを探して買う、麦茶。

そんな、今日でした。

こちらは田中幾子の音でいっぱいである。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

『人』 2019.0730

意外に思われるかもしれないが、実は人見知りな性格なのです。

だから、知らないところに電話をかけることなんか、大の苦手。知っているところでも、しばらくぶりだと何かと理由をつけて後回しにしたがる。

 

じゃあ、演奏活動で知らないところにいきなり出向いてとことん弾いてきちゃうのは、どうなっているのかというと、

これはまた別の神経回路が働いているとしか言いようがない。

 

多くの場合、私の活動を受け入れてくれる方々は、やはり面白いことや新しい試みに興味があってそのための努力を厭わない方が多いから、違う道を歩みながらも同じ方向を向いているような気がする。だから、逆に言うと、少し似た雰囲気の人が多い。そうなると、話しは別だ。アンサンブルの共演も同じだ。

 

で、この数日の私はまたちょっとした人見知りを発症している。

なぜなら、久しぶりに美容院で髪を切りたいから。予約の電話をしないといけないから。うーん。明日こそは電話しよう。

写真は、本日もとあるデビューを果たした様子。スイカバー。

 

そんな、今日でした。

ここに向けての新しいものもご用意中。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

 

『夏』 2019.0729

今日の日は、私は生まれて初めてガリガリ君というお菓子を食べた。

今まで、その名を耳にしたことはあったのだが、食べたことはなかった。

なぜ食べることになったかというと、理由は簡単で、

 

今日の山歩きがたいそう暑かったから。

 

そう、夏だ。夏が来た。

 

エアコンが効いた部屋でノースリーブとミニスカートの薄着で練習しながら汗をかくのも私の夏の風物詩。この様子は子どもの頃から全く変わらない。そうさ、夏はこうでなくっちゃ!

と言いつつも、やはり暑くてバテたため、本日のパガニーニ練習も早めにおしまい。

 

今度は、ガリガリ君梨味も買ってみよう。

そんな、今日でした。

私のコンサートのタイトルは、春も夏も青いまま。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

『旬』 2019.0728

毎日毎日こうして日記を公開していると、どうしてもネタが尽きてきてしまう。

いや、本当はあるのだ。この話面白いとか、この話題もあるとか。

なのだが、それをどう伝えようか考えてうちに、自分にとっての旬が過ぎてしまったり、またはいざ書こうとすると気が変わったりしてくる。

 

そう、旬というものがあるのです。

 

以前ある美容院で雑誌やテレビの仕事もされている美容師さんがおっしゃっていた。

「そのスタイルが流行る頃には、こっちはそれに飽きてきている。でも、お客様はそれを楽しみにされているから、そのギャップが難しい。」

なるほど。

新しいものを生み出す側というのは、そういう悩みもあるのかもしれない。流行りだすまでに、相当な回数を積んでおられるのだろうしなぁ。

 

で、私は私で、自分の中でそのアイディアで盛り上がる旬を過ぎてしまうと、もうそれについてはやはり飽きてしまっているわけであります。

それがわかっているから、日記の内容はいつも決めておかない。自分で好きなようにやっているから制約もないし、あとは楽しんで書くだけ。そう、こんな下らない内容でも私は楽しんでいるのです。

 

ま、なんでも適度に緩くやるのがいいですね。写真は、山で私の帽子にとまった蜻蛉。

そんな、今日でした。

こっちは、お客様を飽きさせないことで頭がいっぱいである。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

『夜の工場地帯(仮)』制作について

先日、新曲『夜の工場地帯(仮)』を発表した。

 

2分弱の短い小品だが、自分としてはわりと気に入っている。端的にまとまっていると思う。

 

この曲は、元々は昨年12月、紀尾井町サロンホールで開かれた戦友とみーの木曜コンサートにおいて演奏されたタレガというクラシックギター界では有名な作曲家の作品で印象的だったコード進行を用いている。

それは、コンサート前半に演奏され、強い足取りのコード進行に心惹かれ、途中の休憩時間にその場にいた周りの人たちに「これはどういうコード進行ですか?」と尋ねて回ったのだ。

その中で、多功さんという方がこの進行を解析して教えて下さった。この方は、とみーのお弟子さんであり、ジャズギタリストでもある。(とても親切で、お酒を作るのもうまい。私は彼にひたすらビールをサーバーから注いでもらったこともある。※しかも細身の美形。)

 

話しが逸れたが、そのおよそ2週間後。原宿カーサ・モーツァルトで開いた「虚飾遊戯」というコンサートで私は覚えたばかりのこの進行を用いて『朝もやの中へ』という曲を発表した。これもとても評判が良かった。当たり前だ。タレガの進行がとても格好いいからだ。

 

とみーいわく、この進行はムーア人の行進に使われたらしい。ムーア人とは、古い時代にヨーロッパから見てエジプトあたりのイスラム教徒を指した言いかただと思う。私の公式愛読書『ドン・キホーテ』にも頻繁に登場する。

なんで、とみーがムーア人のことにまで詳しいのか、私にはさっぱりわからない。大学の先生だからなのか、あまりに知識が幅広いのではないか。

 

『朝もやの中へ』は、ギターの響きをイメージして書いたのだった。ギターでないと出ることはない音の消え方。それが私は最高に好きだ。

 

今回も、格好いい曲を書きたいと思って、まず思い浮かんだのはやはりこの進行。私はギターは弾けない。だから違うリズムで違うメロディで運ぶしかない。

苦肉の策で浮かんだメロディは強すぎた。そこから1週間以上は続きが出てこなかった。だが、この進行に対して甘いメロディはダメだ。あの当時だってイスラム教とキリスト教の対立は激しかった。その進行を用いるからには、それなりの理由が見えないと。

 

タイトルは、後付けだ。曲を作りながら、これはあまり人の温度が感じられないと思った。それで制作の途中で付けた。仮でもタイトルが付くと、少し方向性が見える。それなら、よりこの無機質な性格で進もう、そう思った。

 

熱で具合が悪い日なんかもあったのだが、熱にうなされる明け方、うっすらと(あ。。。もっとこういこう。。。)などと思っていて、なぜかその記憶が日中にも残っていたからそれで試してみた。そうすると案外曲がまとまってきた。不思議なものだ。

 

一つの作品ができあがるまでの流れ。それも面白みがあるかもしれない、と思いこのように文章にしてみました。よろしければ、曲をお楽しみいただければ幸いです。

 

写真は、いつもメモ程度しか残さない私の楽譜。

『稀』 2019.0727   

山と自宅の往復で忙しい私でも、たまには街に出る。

写真をご覧になればご説明もいらないでしょう。そう、街中のケーキ屋さんでの一コマである。

 

と、この上なくつまらない始まりの今夜の田中幾子漢字日記でございます。

写真のここは、東京都世田谷区のフランス菓子店「オーボンビュータン」です。ここの喫茶室に入ったのは初めてなのだが、実は思い出の店なのであります。

 

ボストンで知り合ったあるご家族が、日本ではこのお店のすぐ近くにお宅を構えておられ、双方とも帰国してからもお付き合いが続き、そちらからよくここの焼き菓子を頂いていたのです。で、我が家における感想が非常に芳しく、特に何かにつけて味にうるさい母も納得するものでしたから、現在では田中家の女どもは日本橋高島屋店にそれを買いに行く、という一家総出でファンとなったわけであります。

 

つまり、口に合って美味しいから家族全員孫子に至るまで大好き、という話である。実に平凡でつまらん話しで申し訳ないが、田中幾子の中にも平凡は存在するという新たな事実が今ここに発覚している。

 

それにしても喫茶室も行ってみたかったから、嬉しかった。お紅茶も美味しかった。

 

ちなみに、ヴァイオリニストとしては、店名後半の「ビュータン」に反応するのでありますが、それについてはまたの機会に。

 

そんな、今日でした。

そのうち、お菓子をテーマにした曲を書いてしまうかもしれない。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

『狂』 2019.0726

この数日気がふれた作品に囲まれている。

一つは、ベートーヴェンの『クロイツェル・ソナタ』関連。ここからトルストイとチェコのヤナーチェクが同タイトルでそれぞれ短編小説と弦楽四重奏曲を残した。改めてこれらを聴き、読んでいると、芸術家も人もこれだけ狂気の世界に住むことができるんだな、と驚く。

 

で、パガニーニを練習していると、本当にこの人は狂っているな、と思う。容姿も悪魔的だったと言われるが、奇怪な内容が好きだったんだろうな。しかもそれを極めて音楽的に美しく弾く、という悪い趣味の持ち主だったんだろうな。

しかし、技巧を脇においた作品のメロディの美しさは、この人にしかないものがある。ある意味、絵画におけるピカソのような才能の持ち主だったのかしら。興味は尽きない。

パガニーニをやっていると、私にもある程度の音楽性と技巧が育つのではないか、この狂ったようなリズムや拍子感と弾きにくさを極めた技術が身体のうちに入り込んだら、面白い世界が開けるのではないか、パガニーニをやりこんだのちの自分自身が楽しみで仕方ない。そういう意味でも私は既にこの歴史的な狂人に魅せられてしまっているようだ。

 

写真は、彼の狂気の一端をお伝えできるかと、恐ろしい転調の一つ。

 

そんな、今日でした。

弾いている間は尋常でいられない。ソロコンサートシリーズ。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

 

 

『魚』 2019.0725

皆さまこんばんは。田中幾子でございます。

 

今日は、朝は山へ行き、午後は新曲の続きと動画撮影、それからパガニーニの練習をして、と大変充実した一日だった。

どのくらい充実していたかというと、それは本日の写真をご覧いただけばおわかりのとおり。

夕食に頂きものの日本酒とほっけの開き。

全ては、ここに集約される。至福でしかない。

 

そういう一日であった。

 

新曲は、ちょっとかっこいいものを書きたいと思い、このところ取り組んでいたものです。出だしのコード進行は、前にギターのとみーが弾いていたタレガという作曲家の作品に使われていたもの。とみーいわく、ムーア人の行進のコード進行らしい。こういうことをさらっと説明できるあたりは、あいつは大学の先生っぽい。

 

ほっけは、私は北海道出身の母をもち佐賀で生まれ育ったから、お魚好きなのです。お魚がないと生きていけない。美味しかった。

 

そんな、今日でした。唐突な終わり方で申し訳ない。

新曲も演奏予定。ソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』

『贅』 2019.0724

今日は普段と違う山へ行った。このあたりは四方八方に里山がある。

朝食のあと山用の服装に着替えて里山を散策し一汗かいて、帰宅したらシャワーを浴びて涼む。それから、昼食。午後は人に会ったり練習や創作。

 

いやぁ、なんとも贅沢な暮らしだなぁ。

と、一人我が世の春を満喫している。

 

創作は創作で、プライベートで人に頼まれた作品などもあるので、往復の道中では頭の中でフレーズを口ずさんだりして。

 

こう、創作を始めるようになってから、かの巨匠たちが日々散歩をしたり夏の休暇に訪れた大自然の中で大作を仕上げたりすることの意味が少しわかってくるようになった。ドビュッシーも、自然の音のなかにインスピレーションがある、と言っていたしな。私はどこにインスピレーションがあるんだろう?それはまだよくわかっていない。ただ、ピアノに向かい新しい試みに取り組むことが日々楽しくなってきていることは確かだ。

 

今日もまだまだ楽しもう。

 

そんな、今日でした。

これは、皆さまに楽しんでもらうソロコンサート。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』