クロイツェル・ソナタ

『激』 2019.1107

11月24日『美会夜会』に向けて練習している。

今回は、メインにベートーヴェンのクロイツェル・ソナタの第1楽章をいれている。

これが、滅法凄い作品だ。

 

凄い、というより物凄い作品。

 

ピアノパートを弾きながらヴァイオリンパートを声に出して歌うというのが、この手のアンサンブル曲をやるときの私の練習方法の一つであるが、ある部分などは、ベートーヴェンの人となりをどうしても思い出して仕方がない。

それは、人格破綻していると言われるほどの激しい激情。

昔読んだ「嵐が丘」のヒースクリフは、恐ろしい男だと思うが、あの激情のようなものを感じる。

 

現実に、ヒースクリフのような人間と関わるようなことになったら、それはとても大変なことだと思うし、ベートーヴェンの人格についてはいいところもあるがそれ以上に悪いところのほうが多かったのではないか、と私は思うから当時の彼の周囲の人物たちは気の毒だと思う。

 

ただでも、私たちはベートーヴェンの作品を愛し、未だにそこへの憧れやそこから得られるものが大変多い。

 

それは、この譜面からも見てとれる激情的な人格だからこその音楽なのかもしれない。昔の文豪だって、ろくな人間じゃない者もいたしなぁ、と真面目に考えてしまう。

芸術とは。

 

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

『狂』 2019.0726

この数日気がふれた作品に囲まれている。

一つは、ベートーヴェンの『クロイツェル・ソナタ』関連。ここからトルストイとチェコのヤナーチェクが同タイトルでそれぞれ短編小説と弦楽四重奏曲を残した。改めてこれらを聴き、読んでいると、芸術家も人もこれだけ狂気の世界に住むことができるんだな、と驚く。

 

で、パガニーニを練習していると、本当にこの人は狂っているな、と思う。容姿も悪魔的だったと言われるが、奇怪な内容が好きだったんだろうな。しかもそれを極めて音楽的に美しく弾く、という悪い趣味の持ち主だったんだろうな。

しかし、技巧を脇においた作品のメロディの美しさは、この人にしかないものがある。ある意味、絵画におけるピカソのような才能の持ち主だったのかしら。興味は尽きない。

パガニーニをやっていると、私にもある程度の音楽性と技巧が育つのではないか、この狂ったようなリズムや拍子感と弾きにくさを極めた技術が身体のうちに入り込んだら、面白い世界が開けるのではないか、パガニーニをやりこんだのちの自分自身が楽しみで仕方ない。そういう意味でも私は既にこの歴史的な狂人に魅せられてしまっているようだ。

 

写真は、彼の狂気の一端をお伝えできるかと、恐ろしい転調の一つ。

 

そんな、今日でした。

弾いている間は尋常でいられない。ソロコンサートシリーズ。ヴァイオリン超絶技巧無伴奏、オリジナル曲、即興演奏など。次回は8月25日エムズカンティーナにて。『青の時代 vol.4』

オールパガニーニプログラムシリーズ『パガニーニ・ミーティングス vol.2』