ヴァイオリン

『竹』 2019.1001

生来、身体が丈夫でないので

今年の春になってから、山歩きを始めた。

 

最近は、週に一度くらいしか行けていないが、行けるときは連日通うなどしている。

 

元々、アウトドアは得意でもなんでもないんだけど。

 

でも、

 

自分が好きなのは、竹が奏でる音なんだ。

そう気がついたのは、ずっと昔に遊びに行った箱根の森でだった。

 

竹が奏でる風の音は、他の木々とずいぶん違う、まっすぐな節、さらさらとした葉、あまり強い音でないのに、実際の風はまっすぐに私の肌をめがけてくる。

 

あの音を聴くだけでも、

 

あぁ、ここに来た甲斐があった、、、。

 

そう、思えるのです。

 

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

『懐』 2019.0930

先週末はクローズドのコンサートで、チェロとデュオ演奏をしていた。

その日のメインの曲は、ヘンデル作曲ハルヴォルセン編曲の『パッサカリア』という曲。これがなかなか手強い技巧的な作品なのですが、久しぶりのチェロとのデュオは楽しかったな。

 

最近、いろんな編成で演奏することがあって、

一番多いのは自分一人っきりのヴァイオリン一本。次にとみーのクラシックギターとのデュオ。それから、フルート四重奏やポップスのサポートなんかが今年はあった。カホンと歌、なんかも面白かった。ピアノと思いっきりデュオ演奏するのは11月24日『美会夜会』で久しぶり!という感じだ。

 

それにしても、いろいろな編成でやっているとそれぞれの楽器の特性、音の出方や響き方なんかがそれぞれ全く違っていて、それが実はアンサンブルにも大きな影響があることに気が付いてくる。

 

とみーのギターに慣れてきた私は、チェロとやると懐かしさで胸がいっぱいになる。

 

あぁ、チェロってすごくいい楽器だな、もっともっとやりたいな。

そう、思う。

 

そのうち、ヴァイオリンとチェロのデュオ曲を何か書くかもしれない。だとしたら、それはその大好きなチェリストとのためだ。

早く、また一緒に弾けるといいな。

 

そんな、今日でした。写真は、神田明神の近く。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

『肌』 2019.0926

今日は、ギターのとみーと『パガニーニ・ミーティングス vol.3』のリハーサルだった。

相変わらず、面白いやつだ。

 

例えば、音楽用語でもあるイタリア語。パガニーニの時代で用いられていたときの意味合いと現代では違うとか(我が国の古文と現代文が違うようなものか?)、楽譜の造りが悪くて見にくいからやりづらい、うんたらかんたらとか、とみーでないと出てこないようなことがいろいろ口をついて飛び出してくるのだ。

 

こう考えてみると、とみーと私にはきっと多少の共通点があって、

2人とも音楽記事の執筆をしていることや、音楽全般への知識への欲求があることなんかがそうかな、と思う。

あいつは大学の先生だし、私は亡き父がそうだった。

加えて、哲学科出身の母や法学を学んだ姉は常に物事の背景や理由を踏まえ理路整然とした物言いをする女たちだし、

私の育った環境も、学者肌のとみーにはそれこそ肌が合うのかもしれないな、と思った。

 

ま、なんにせよ

 

いい音楽。そして気持ちがいい2人でいること。

これが一番だな。

 

そして、私的本日のハイライトはやつのセリフ。

「(これ)毎日さらうから。」

 

どう考えてもやれるはずがない癖にそんなこと軽々しく言っちゃった瞬間が面白かった。実際やらないらしいです。そりゃ、無理でしょ。

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

『動』 2019.0924

元来、出不精だし一人で過ごす孤独が好きだ。

 

読書好きの私は、家に閉じこもって一人きりでひたすら読み耽りたくなる。そのようにして、一人で大作曲家のスコアを眺め、ピアノで弾いてみて。。。という遊びとも研究ともつかない時間に身を任せたい。

 

それでいて、その欲求が過ぎればただ単に身体を動かしたくなる。

 

山の空気を吸い、家ではバレエを練習する。楽器の練習はそのあとだ。運動で身も心も軽くなった幾子のほうが扱いがいいからだ。

 

そういえば、自転車は乗れない。

 

危ないから乗るのをやめて、と家族に懇願された。

 

傍から見ていて危険を感じるくらい、下手くそな乗りようだそうだ。

 

走るのも、苦手。

 

得意な運動は、なんだろう?子どもの頃は障害物競走が得意だった。あれだけは、2位。1位になることは滅多になく、逆に3位以下になったことはなかったような気がする。

 

虫や両生類、爬虫類が怖くて仕方ない性分だから、山も長いこと避けて生きてきたのだけど、人より年月を生きる木々と、彼らが奏でる風の音に私の全てが洗われるから通うしかない。

 

こうしてみると、最近は動と静のありようが変わりつつあるようで、まだその変化に慣れないでいる。

まぁ、そうして私も生きている、ということで。

 

そんな、今日でした。山で見かけた彼岸花。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

 

 

『原』 2019.0923

どうもロシアものには親和性を感じる。

と言っても、一方的な片思いであるし、ロシアものならなんでも好き、とは口が裂けても思うことすらできないのであるが

ここで言う、ロシアものとは

 

ロシアのクラシック音楽。

 

つまり、チャイコフスキーやボロディン、グラズノフ、などと言った面々の音楽についてである。

 

もちろん、他にもたくさんいますよ。ムソルグスキー、スクリャービン、ラフマニノフ、キュイ、リムスキー・コルサコフ。バラキレフという人の「イスラメイ」なんて、とてつもなく楽しい音楽だな。あ、ピアノ曲です。

 

そんな中で、私が最も心惹かれるのが子どもの頃から変わらない。チャイコフスキーだ。

 

きっと理由は単純で

チャイコフスキーの音楽にのってバレエを踊ることが最高に楽しかったから!

 

東京から招かれたプロのダンサーたちと、チャイコフスキーの「眠りの森の美女」や「くるみ割り人形」の華やかな最終幕を踊る。夏休み中リハーサルだったこともあったな、あの年はドリーブの「コッペリア」だった。時の精の踊りと音楽にうっとりした。

ある意味、私の原点かもしれない。

 

でもなぁ、どうしても文学はだめなんだよ。長いんだよ。最後まで読めたのはツルゲーネフとトルストイの短編だけ。どうにかしてくれよって気分になってしまう。

 

ただそれだけの、話し。

写真は、先日見学した横浜ハリストス正教会。楽しかった。

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

『髪』 2019.0922

気が付いた頃には、髪の毛が長かった。

いくつくらいだったか、覚えていない。

ただ、母がいつも出掛ける前に私たち娘の髪を様々なスタイルに結わえてくれるのと、バレエを習っていたから習い始めた頃にはお団子ができるくらいの長さになっていたのだと思う。

 

前髪は、生まれてこの方、作ったことがない。

 

肌が弱いので、髪が皮膚に当たると出来物が生じたりするからだ。

 

人生の中で、たまにボブヘアにしたり、カラーやパーマをかけたこともあるけれども

 

結局のところ

 

この黒髪ストレートに落ち着いている。ま、これが一番いろんなスタイルにしやすいということですな。

 

だから最近は、巻き髪を作って思い切りアップにしたりすることも始めた。バレエやっていると、自分で髪を上げるので多少のことはできるようになるのですよ。

そのぶん、本番じゃないときは、ところん下ろしてリラックスしたり。

 

最近、三つ編みはやってないなー。またやろうかな。と、去年の写真を見て思ったさっき。

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

『色』 2019.0914

時々発言していることなのだが、

練習っていうやつは、基礎の基礎みたいなところを時間を忘れて丁寧にやるのが、

一番楽しいんだよねぇ。

 

それは例えば、

 

絵も描かずに絵の具で遊ぶとか、

私の趣味で言えば、ただ単に辞書を読み耽るだとか、

 

一見、目的がないように見える。ただの遊び。

 

もちろん、曲をさらうのは楽しい。楽しいに決まっているんだが、

 

ある程度やると、基礎の世界に戻りたくなるんだよなぁ。

 

基礎ってのはさ、何も描かれていない真っ白なキャンバスに、

ぽーん、と

色がのった。

 

真っ白な空間に響き渡る色たち。

オレンジや青、茶色にピンク。。。

 

キャンバスがより白く、背景らしくなればなるほど、

色たちは、より綺麗に映る。

 

そうすると、色をのせる筆遣いもより洗練されてくる、っていうものだ。

 

そんなイメージを持っているのだから、

ベートーヴェンの物凄い油絵や、グラナドスのあまりに淡い印象派風の流麗な世界、クライスラーはそうだな、カリカチュアのような気がしないでもない。ヴィターリはもちろんルネサンス絵画のようだ、

という色に囲まれているうちに、

ただのキャンバスが、恋しくなってきてしまう。

 

もっと、いい色味を出せますように。

 

そんな、今日でした。

写真は、修学旅行中の姪っ子が送ってきたもの。

 

 

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

『匂』 2019.0912

今日は、久しぶりに山に行った。

例の里山歩きである。

およそ、一週間ぶりであろうか。先週末の台風を経て、山の様子はそれまでとは変わっていた。

 

が、自然とは恐るべきもので

台風を逃れた蝉は鳴き、スズメバチは頻出する。

 

スズメバチ。初めて見たな。もう二度と見たくない。

 

なのだが、それでもなんとか歩いてきた。帰り道は、スズメバチの恐怖からか言葉が出なかったほどだ。

そして、帰宅すると、

 

あぁ~、ずいぶんとリフレッシュしたなぁ。やはり、都会の建設物の中に閉じこもっていると駄目だ、現代を生きる芸術家にはリスクを負ってでも大自然が必要だよ、などと独り言にするほどの余裕ぶりであった。気持良かったんだよね、山の風が。

 

そう、急に風が変わってきたよ。風の音、風の匂い。

 

この匂いに、私は毎年やられる。

 

もう、ブルックナー、ワーグナー、チャイコフスキー、マーラー。加えてシベリウスの音まで聴こえてきたら、もうおしまいだ、生きてこの現実世界には帰ってこれないような心地でいっぱい、ここまで来たら、ブラームスは室内楽でだってヤバイし、モーツァルトのピアノ曲で死んでしまう。

 

ここまで積み上げてきたものなど全てどこかに消え去ってしまう。

 

秋の匂いよ、お前は強い。

 

写真は、お気に入りの鍋の焦げを落とすために近隣店舗を駆け回り入手した一品。粉クレンザー。

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

『指』 2019.0910

人には得意不得意があって、基本的には得意なことだけをやっているといい、と思う人間である。

例えば、私であったら、

事務作業は、苦手。メール一本送るのにも躊躇したりする。

まぁ、このへんはある程度は自分でしなければならないものであるので、仕方ない、と諦めてもいるのだけれども。

 

演奏に関しては、そうはいかない。

 

指が弱いのだ。

 

握力もない。細い。

じゃあ、何をすべきか。

 

私が出した答えは、

極力、押さえない。というものだ。

 

3の指なんて、しっかり押さえるのは無理だ。全身が硬くなっちまう、それよりも、むしろ甘く押さえて力を抜く。そうするとさ、3の指、私の薬指からは独特の音色が生まれ出てくるのさ。。。

 

それで今日は、ふと思いついて、曲の指使いを大胆に変更することとした。

「普通は、順当に行けばこういう指使いとなるよね。」というのを、

 

出したい音色で全ての指を考える。

 

そうすると、わりと有り得ない運指も生まれるのだが、案外楽に力が抜けた様子で弾けるので、技術的にうまくいきにくいということもなく、思っていた以上にスルスルと弾けるようだ。しかも、より芸術に没頭できる。

 

かの、ハイフェッツはリスクを好むから有り得ない指使いにしていたそうだが、私のは逆だな。

身体がちっちゃくて弱いから、真っ当なことができやしないからなんだよ。

 

というわけで、これから全ての曲の指使いを変えたもので身体に叩き込んでいくこととなった。これはこれで、リスキーかな。

写真は、昨日訪れた日比谷公園。緑の奥には公会堂が。

 

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

『図』 20190909

こんばんは。

台風の凄さと、そのあとの今日の暑さにやられてもう何も出てこない田中幾子でございます。

いやぁ。なかなか立派な台風ぶりでしたねぇ、佐賀で生まれ育った私は、台風については一家言あるのですが、

今回は、短時間とはいえ、その強さは佐賀にいた頃を思い出しましたよ。これだけの強い台風は関東地方で体験できるものじゃあない。

と、思うのですが

 

自然災害をこのようにお伝えしても、喜ぶ人は少ないだろうから、話題を移します。

 

うん、今日はね、私は日中の空き時間に図書館に行った。出先と出先の隙間時間ですな、先週の土曜日に津原泰水先生の文章講座にお邪魔して以来、文章熱も高まっている。も、というのは、バレエ熱も高いからだ。

 

本の虫にその出生の由来をもつ私。

 

というと、言いすぎだが、

本については、ヴァイオリンを手にするより早い段階からのめりこんでいたらしい。2歳頃には、英字新聞を逆さにして読んでいたとか。逆さ、というのが2歳児なんですかね。今、思い出したが、音楽については生後2か月頃から母の通う合唱教室で抱っこされたまま私も通っていたらしい。つまり、どっちが先かなんて言えやしない。

 

要するに、本に囲まれているのが幸せだ、ってことですよ。

言いたかったのは、それだけ。

 

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』