物語

『馬』 20200213

馬と言えば、擦弦楽器の弓の毛は馬のしっぽで出来ている。

天然のを、漂白してあるんです。あまりにぼろぼろなのは取り除いて。これを弦にこすりつけて弾くんだから、弾いているうちに摩耗してくる。それをたまに交換するのを毛替えと言います。

あと、ラヴェルのツィガーヌという曲があるが(ツィゴイネルワイゼンと同じくジプシー調の超絶ヴァイオリン曲で実はツィゴイネルワイゼンを遥かにしのぐ難しさ)これの冒頭なんか、私のイメージは「馬みたいに弾く」だ。馬が鳴くときのあの勇ましさ、そして野生。そんな感じがする。

 

てなわけで

 

今朝ははるばる、横浜馬車道まで出かけて参りました。

これについては、のちのちおもろいものを発表する準備に邁進しておるので、今しばらくお待ち頂きたいのだが、

 

同行メンバーは、津原泰水。そしてピアノ藤井麻理。

 

先生と麻理ちゃんと3人で朝っぱらから楽しいコトやってきたぜ!!

 

コトが済んだあとは、3人で気持ちがいいお喋り。先生の話題の豊富なこと!普通じゃないね。さすが次々と引き込まれる作品を出されるはずだ。それにしても、先生の語り口は愉しい。柔らかい声に、優しい眼差し。まるでずっと浸かっていたい変ロ長調のフラット2つの幸せ。

 

写真は、コト済んだあとの間抜けな私の背中と佇む先生。撮影は麻理ちゃんさ。

そんな、今日でした。

 

私以外は2人とも先生。文学と音楽が出会うコンサート『幻楽夜話』~超絶ヴァイオリンが再現する名作文学に流れる調べ~

『朝』 20200203

3/12『幻楽夜話』のためのリハーサルが数日後に決まった。

今回は、ヴァイオリンとピアノのために書かれた曲ではない、オーケストラ作品なども演奏するため、リハーサル前の打ち合わせが必要で、それ自体音を出しながらやる、というものだ。

そして、私はあることに震撼している。

 

それは、そのリハーサルが

 

早朝に行われる、ということ。なんてことなの。

 

ここで言う早朝とは、極めて個人に由来する体感的な尺度による表現であって、一般的には決して早朝ではない。だって、朝9時からだもん。でも、だって、そうしたら私、7時半くらいに電車乗ってかないといけない。

なぜならば、午前中という時間帯に混んだ急行電車で立っていると貧血で倒れてしまうという習性の持ち主なのだ、倒れちゃうと回復までおよそ2時間はかかる。これは今までの都会生活で唯一学んだ護身術でもあって、私はいくつもの駅で駅員さんの仮眠室にお世話になってきた。だから早めに出て各駅停車の電車に乗らなければいけない。

 

今日、お昼ご飯を作りながらこのことに思いを馳せ、ふと思い出した。

私、そういや高校時代はゼロ限のために6時起きで学校行ってたじゃない!(ゼロ限とは、1時間目の前に行われる授業であって、7時40分からスタートする。)だから、その気になったら6時台にだって起きられるじゃん!

即、別の声が聴こえる。

馬鹿かお前は!!その分、学校に着いてからしこたま授業中に寝ていただろうが!!お前はリハーサル中に寝るつもりか!!この馬鹿たれが!!学校には毎日5~10分遅刻していただろうが!!己のだらしなさを葬ったつもりでいるのか!!

 

そうだ、私ゼロ限に定時に行ったことなんてたぶん3回くらいしかないし、着いたら寝ちゃうし、それで立たされて、立ったままでも寝ちゃって辛かったんだ。立って寝るって、辛いんですよ皆さん、やらないほうがいいよ。

 

そして、くだんの懸念へと戻る。こうして、アイティの悩みはループする。

写真は、練習のお供のバランスボールで怯える私。

そんな、今日でした。