気候の変化に、すっかりやられてしまい
また熱を出した。
こうなると、芸術家というのも因果な商売だなぁ、と思えてきてしまう。
少しの変化、風の音やざわめき、木の葉のゆったりとした空を切る舞。
例えば、アスファルトから聴こえる人々の暮らしの音からもその日を感じたりするのに、
そんな感受性といったようなものは、ある時にはこうして敏感すぎる肉体となって現れたりするのだから。
夜になって、少し調子が上向いてきたから11月24日『美会夜会』で演奏するベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」を取り出してみた。
恐ろしい。
恐ろしい曲だ。
室内楽が大好きで、本当はそれをもっとやっていきたい。
だが、そんな希望を打ち砕くかのような、恐ろしい8分音符の羅列。いかにここに芯を入れられるか、あぁどう考えても彼の人は高すぎるエベレスト!!
今年から始めた”ヴァイオリン一本・無伴奏活動”により、かなり演奏体力はついたはずなのに、ベートーヴェン、この作曲家はそんな程度じゃあ許してくれやしない。
そう、許されないのだ!絶対に、許さないぞ!!。。。という強固な意思がビンビンと伝わってくるこの譜面。
今から2か月。ひたすら彼に捧げきります。
そんな、今日でした。
2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。
オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』