チャイコフスキーの4番
正月から忙しい。というより、年末も忙しかった。
そもそもが、正月だとかお盆だとかバレンタインデーでなくても常日頃から練習やら演奏会の準備やらで忙しいわけであって、
年越し前も忙しい、そして年を越しても忙しい、私の日々はどちらに行っても忙しいとなれば、お正月と言えど日常のように過ごしてもいいのではないか、
これはまるで夏目漱石の「草枕」冒頭のような気分だな(そうか?)、
漱石の気分を味わえるのならばこのせわしなさも悪くないものだな、
と思えたのが唯一の得たものであった、このお正月。
三が日も、いそいそと練習したりしていたのです。
それはそうと、このお正月から始めた新しい習慣があります。
それは、日光浴。
長いこと、不健康な籠りっぱなしの音楽生活を送っているおかげで、
だいぶお日様が恋しいことに気が付いて、
元旦を機に朝日を浴びようと、午前中の日光浴兼散歩を始めました。
いやぁ、気分だけは、かの大作曲家ばりなのです。
ベートーヴェンもブラームスも散歩をしていたらしいけれど、
その時間帯は何時頃だったのだろう?
私は今のところ午前中の健康的そうな時間帯のつもりなのだけど。
そんなふうにしていると、自然と起床時間が早まるのか、今までより寝る時刻も早くなる。
今夜もそんなふうにして、さっさと寝入るつもりだったのだけれど。
お風呂に入りながら、あぁ、どうしてもチャイ4を聴かなければ私は眠れない。
そんな気分になってしまって、今チャイコフスキーの交響曲4番を聴いている。
このたまらないヘ短調。出だしのラのフラット、この音程は私はメロディラインとしての高めの音程より、和音の響きに合わせた自然な取り方のほうが好みだ。
チャイコフスキーの音楽はいろいろと好きだけれども、この4番が最も好きだろうなぁ、「眠りの森の美女」の「青い鳥」のアダージオとヴァリエーションも好きでたまらないのだけれど。
チャイ4を初めて聴いたのは、ボストンの自宅で。部屋のプレイヤーから流れてきたこの冒頭とその先の音楽に驚き、まるで恋したのです。
あれから、まるで、私の中身は変わってないなぁ。たいしてうまくもない文章をこう軽々しく発表するようなあたりも。
松の内の間に、過去の自分と、それから得る明日への私。
今年は、たくさん弾きます。よろしくお願い致します。