神田

『雪』 20200119

昨日は、神田ヴァイオリン娘活動で知り合った方に連れられて、神田の深部に入ってきた。

神田の老舗インドカレー店「葡萄舎」だ。ぶどうしゃ、と書いてぶどうやと読む。

 

そう、カレー屋だ。

 

年季の入った店内の様子。使い込まれた古い木製のカウンターに木のテーブル。壁が薄汚れているのは、煙草のせいか。

間違いなく、一人では入れない店だ。

 

オールバックの髪の毛を後ろで一括りにしたオーナーは、1960年代にヨーロッパからインドを5年間も旅したらしい。音楽を愛し、古い時代のスピーカーから流れる音は店の木と反射し柔らかい。店の雰囲気もその音のようだ。

だって、葡萄舎なんて店の名前なのに、

メインはインドカレーだし、

夜のメニューといえば、しめ鯖、煮凝り、さつま揚げ。

 

もちろん、カレーもあるしベジタリアンも食べにくるという仕上がりは、びっくりするくらい美味しかった(私には)。

 

あと、どれもこれも大盛りたっぷり。

 

古い時代のお話しをうかがったり、神田の様子を教えてもらったり。どれもこれも許される懐の深い音と店。

神田ヴァイオリン娘も少し神田のエキスが入ってきたかも。

 

ここでライブやるときは、お知らせします。

そんな、雪の夜でした。

『飴』 2019.1117

このところ、ずいぶんと心身が忙しくなってしまっていた。

まだ、忙しいことに慣れていないからなんだろうな。演奏も、文章もあれこれ考えて実践することを順繰りにやるのだけでも精一杯となってしまっており、

なんというか、

呼吸もできていなかった。

 

そんな気がする。

 

まぁ、具体的に挙げてみると

先週末から2~3日熱で寝込む。水曜日は楽器の調整、ついでに母親と会う。翌日は練習。金曜日は神田の海老原商店でコンテンポラリーダンサーの青木尚哉氏主宰のEBILABOで氏の新作ダンス「B氏の妄想」に出演。昨日は練習。今日は、恩師のご指導を仰いできた。

 

合間に、来年初頭の面白い企画のお話しとか、準備とかそんなのもあって、

 

何しろ、頭が忙しい気分でした。

 

「B氏の妄想」は面白い作品でしたよ。ダンスなんだけれども、かなり演劇に近い。そこに生演奏兼若干の演技で出演させて頂き、大変楽しい思いをしました。これ、もっと語りたい。ダンスの青木さん、大迫さん、近土さんの実力と才能がバリバリ火花散らしていた本番はめちゃくちゃ気持ちよかった。またやりたい。

終演後に、演者の身体調整のプロであるイワシさんに身体を直してもらったのもすごく良かった。おかげで翌日以降のコンディションがまるで違う。というか、私別人のように上手になりました!!

それをもって師匠へご指導頂き、とても充実したレッスンを受けた。そうしてやっと、頭が解放されたからこうして日記を書くことができている。

 

久しぶりに私の楽器を見た先生。

開口一番「あら、楽器変えた?そんないい楽器持ってたかしら」

いえ、違うんです!弾いているうちに色が変わってきて。

「すごくいい楽器みたいに見えるわよ」

 

そう、ヴァイオリンとは弾いているうちに色が変わるのだ。新作で、もっと黄色に近い色合いだった私の楽器は、最近は飴色のようになってきている。この数か月でもずいぶんと変わってきた。

楽器屋さん曰く、

弾き込んでいくと、どんどんいい色となってくる。

 

そして先生曰く、

弾いている場所の空気や、私の汗、松脂、息なんかで変わってくる。

 

私と、私がやっていることで、楽器の色が変わってくるなんて、

とても光栄で幸福なことではありませんか?

 

ヴァイオリンとは不思議なもので、

いい楽器に見える楽器はいいんです。美しい見た目は美しい音色を醸し出すのです。

 

もう、先生に楽器を褒められただけでも、天にも昇る心地だよ。

 

写真は、そのように見える近所の山の木々。

そんな、今日でした。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

『浸』 2019.1024

今年の演奏会は、残すところ11月24日『美会夜会』だけとなった。

ちょうど年始の1月から、ライブハウスのオープニングアクトやバンドの転換時に演奏させてもらうようになって、全て一人のソロコンサート『青の時代』も3月に始め、合間にギターとの『パガニーニ・ミーティングス』、ポップスのサポートでヴァイオリンとピアノを弾き、レコーディングもあり、歌も歌い、コンテンポラリーダンサーと出会い、神田ヴァイオリン娘たるものも始め、先週末は池袋でジャズセッションもしたりしていて、

なんとも、頭が忙しい。

 

無伴奏のバッハのパルティータの他、コンチェルトやちょっとしたオケの曲も一人きりで弾いている。そうすると頭が忙しいんだな。伴奏部分も弾いているしな。

 

『美会夜会』は、私が最も大事に思っている曲の中から、一人では決して弾けないものを選んだ。

これらは、今までも弾いてきていて、唯一ウィニアフスキの「スケルツォ・タランテラ」だけが人前で演奏したことがないんじゃないかな。

そうすると、あらゆる準備がゆったりと進められる。暗譜も、仕上げるのものんびりと。。。

 

こうしてじっくり作品に向かい合いながら時を過ごすのは贅沢だなぁ、曲と仲良しになれて深く知ることができるから幸福だ。。。

まるで温泉にでも浸かっているかのような気分となってきて気持ちがいい。気持ちいい練習ができて幸せだからもう眠い。

 

そんな、今日でした。

 

写真は、母が送ってくれたカゴバック。こんなの持ってお出かけしたいよ。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

『減』 2019.1014

最近、いろいろな人と出会うことが多くてとても楽しい。

7月に、たまたま神田須田町の『海老原商店』前を通りかかってオーナーの海老原義也さんと親しくなり、およそ1週間後にはそこで開かれたコンテンポラリーダンスイベント「エビラボ」でバッハのシャコンヌを弾き、ダンサーたちに踊って頂いた。

コンテンポラリーダンサーさんたちは、みな元々はクラシックバレエ出身だという。実際、そばで拝見していても立ち居振舞いなんかも美しいのだ。もちろん、肉体そのものも。

そんなわけで、長いことバレエをやっていなかった私のバレエ熱が燃え上がり、そこからおうちでバレエ動画を見ながら練習する、というおうちバレエを始めることとなった。

 

そうするとですね、あのですね

血のめぐりが良くなるのか、

 

酒が呑めなくなった。

 

正確には、これまでよりも酒量が必要ではなくなってきた、というか。

 

弱いものを、ちびちびやれば十分。これまでの大量の酒は、一体私のどこに消えていたのだ?と自分でも謎めいた人体の不思議を感じるが、

特に、いい動画を見つけて毎日始めた9月からは減った。

 

いいことですよね?

 

いい人に巡り合い、酒の量は減る。

 

とはいえ、呑まない人生はやってこないだろうなと家系を思いながら、夜は更ける。

そんな、今日でした。

 

写真は、先月の「エビラボ」の様子。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

『秋』 2019.1010

昨日は、一日食欲にまみれた日だった。

およそ、私は食欲がないときというのがない。

身体が弱い、などとぬかしておきながら、食欲だけは常にある。そんな、女なのだ。

 

ま、風邪のときとか稀に食べられないときもありますけどね。

 

食欲の秋とか、世間では言うけれども、そもそも食欲に季節は関係がない人生を送ってきている。

あとついでに、読書の秋だとか、スポーツの秋、芸術の秋。

このあたりも一切無縁だ。

 

だって、本は常に読んでたいし、スポーツは常に苦手だし、音楽と美術は好きに決まっている。

この、「〇〇の秋」とはなんなのだろう。そこに迎合しない私とは一体なんなのであろうか。

 

そう、自問自答しながら

今日も神田の老舗店の醤油ラーメンをすするのであった。チャーシューが脂ぽくなくて美味しかった。早く、栗のお菓子食べたい。

 

そんな、今日でした。写真は、台風のために室内避難したパキラ。

2019年の集大成!11月24日「かっこいい曲しかやらない」ヴァイオリン・ピアノデュオ『美会夜会』 原宿カーサ・モーツァルトにて。

 

オールパガニーニシリーズ 10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

 

『溜』 2019.0904

このところの関東地方は、どうも天候が不順である。

実は、天候や気圧の変化に弱いほうであるので、

 

この夏の猛暑では連日発熱してしまっていたし、

それで体力が消耗してしまったのか、最近の低気圧でまた発熱してしまうようになってしまった。

 

そうならないよう、身体を鍛えるためにこの春から山歩きを始めたのですが、これだけの気候の変化にはまだ追いつかないようなのです。

とは言いつつも、予定は大量にあり、

 

先週末も、面白いことやったんだよなぁ、これはもう少ししたらお届けできると思うんだけど。

あと、この秋冬への準備も始めている。あるものは、個人的にはとても大きな試みで、いかに格好良く創れるか、イメージを形にできるか、初めてのことだけれども、がんばりたい。

 

まだ熱が下がらないので、いまいち気分が上がらないのですが、

最近の忙しさで疲れが溜まってしまっていたんだな!と、思うことにして、

明日からまた生き返ろうと思います。

 

あと、最近の私は毎日数分でも動画を見ながらバレエの練習を始めました。楽しくて仕方がない。

 

写真は、昨日のニコライ堂の帰りに寄った、これぞ昭和な喫茶店「さぼうる2」のミートソース。塩がつくのが、また昭和を醸し出していますね。

 

そんな、今日でした。

『露』 2019.0903

今日は、御茶ノ水にあるニコライ堂へと出かけてきた。

と、いうのは

 

友人の日本正教会の水野神父が、来月から九州へと異動することになり、

当面彼にお会いすることはできないだろう、というのと、

 

彼は、大変愉快な人柄で、東方正教会についての電子書籍を出版するほど、正教会を知ってもらうための活動に熱心で、説明も大変お上手であるので、

彼がこちらにいる間に、ニコライ堂の案内をしてもらいたい、と思ったからである。

 

ちなみに、正教会とはキリスト教の一つで、ギリシャに始まった初代教会の信仰を正しくそのまま継承してきた唯一の教会なのだそうです。

日本正教会とは、ロシアのニコライ・カサートキンが1861年函館のロシア領事館付属聖堂の司祭として来日し教えを広めたところからスタートしたらしい。なので、ロシア正教会という言い方もするのだと思う。

 

実際の建物は、拝観料300円を支払って入館するのですが、

建物の屋根の部分は関東大震災で崩れた、とか

数多くある宗教絵画をイコンと呼び、聖書の場面を表していて描かれた時代や国によって画風が変わることや

ロシアでは、色を大事にする。聖母マリアの色はブルーとされていて、今回はたまたまマリアの式典があったあとだから、聖堂内がブルーで飾られていることや

イコンの飾り方のルール、

音楽の用い方、プロテスタントやカトリックとの違い

建築の形における各国の特徴

ろうそくや方角、光の意味合い

 

等々、たっぷりお話しを伺って、もう今日のその内容だけでエッセイが一本書けそうな具合である。

 

さすが、出版もされているだけあって、説明の奥深さもとても興味深かったし、

 

日本人イコン画家の女性、山下りんについてのお話しも、すごい内容だった。いやぁ、明治の時代に仕事を成し遂げた人というのは、気合の入り方が違う。チャイコフスキーが生きていた時代に女性単身でロシアに渡るんだもんな。この人のことは、今小説が連載されているらしい。そりゃあそうだ、だって大変ドラマティックだもの。

 

と、何もかもが非常に楽しかったニコライ堂でしたが、

個人的に一番印象深かったのは、

 

聖堂内の、いい香り。

 

なんでも、祭礼のときにお香を立てるらしい。司教さんが香をふりながら歩く、というふうにおっしゃっていた。

 

うーん、面白い。

 

たっぷり2時間お話しを伺って、帰りは神保町の「さぼうる2」で休憩して帰った。

そんな、今日でした。