クラシック

『弾』20240309

これを読んで下さっている方々はきっといくらか私のことに興味を感じておられることと思います。

この2年以上、あまり演奏活動をしていなかったことについて、そして今年の活動について書きたいと思うのでどうぞ最後までお読み下さいませ。

 

2021年、コロナ真っ只中に私はあるご縁から「普通の人がプロオーケストラの指揮者になれる」という趣旨の『Your Orchesrtra』というオーケストラを立ち上げ、演奏会を主催しました。

本当に、公演の裏側の事務的なことからオケのコンサートマスター・ソリストまで全部自分でやったのだ。

このオケは「演奏を聴かせる」オケではない。

普通の人でも指揮者になれて、プロ奏者たちがその指揮で演奏をする、というもの。正にオケを楽しんでもらうためのオケなのです。

 

当時これを主催したことで、周りのいろいろな方々からこの企画について大きな賛同を得られたし(同じくらい反対意見も頂いたが)、その後もこの企画を継続するために多くの企業さん方ともお話しをしていました。

 

なのですが、とても楽しくて面白いけど収支が合わない、私が無名すぎる。それでどのお話しも流れていったんだよな。

 

そして、私自体も裏方を全部やった疲弊で大きく体調を崩し、その後現在まで体調の波が激しくとても演奏活動ができる状態ではなくなってしまっていました。特に裏方をやったのが良くなかった。そうでなくてもコンサートマスター、そしてソリストとしての重圧がかかっているのに、この企画の主催者でもあり初の試みだったので、かなりの作業があり、それは公演当日出演して下さったヴィオラの大先生にも「君は一番やっちゃいけないことをやってしまっているんだよ」と厳しく言われてしまったほど大変なことでした。やはり演奏する人はある程度は自分の演奏に専念しないと……それまで行ってきていた公演に比べて遥かに規模が大きかったので、自分の処理能力を越えてしまっていたのですね。そんなわけで治療をしながら家族や周囲の助けもあり回復に努めている現在であります。おかげさまでだいぶ回復し、こうして今年の抱負をお伝えできるほどにまでなりました。

 

そうして、今年の抱負とは。

 

その『Your  Orchestra』を開催することです。

 

大きい企業さんでもできない、と言われたこのオケですが、私個人が主催するならあまりいろいろ気にしなくていい。私ができる範囲でやるからね。

 

今、このオケをできるようにするための準備に取り掛かっているところです。

 

もちろん、普通の人がオケを振るためだけの企画なので、開催にはかなりの課題があり、ちゃんと開催できないかもしれない。それについては分からない。やり方としてはクラウドファンディングを使って広くお知らせしていきたいなぁと思っています。今度は体調が悪くなるようなことはなく、上手く付き合います。もう分かったから。

 

オーケストラってすごく大変で、それは日本の場合はほとんどのプロオケは税金で運営されていたりそれでも赤字でいつ潰れるか分からないところだってあると思う。

 

私の『Your Orchestra』だって、内容は面白くたってどう考えても採算が合わない。楽しいのは指揮者になれる人!

 

ではなぜやるかって、

 

それは、ベートーヴェンが書いたオーケストラ音楽が素晴らしいからなのだ。ベートーヴェンに限らずモーツァルト、ブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルザーク……この感動を挙げていったらキリがない際限がない。それこそ墓場まで話し続けても全く終わらないくらい凄い、これが芸術。人生。

 

そう思う人々がいるからこそ、続いているわけだ。

 

オーケストラ音楽というのは、たいていどの作曲家も作曲家としての最大の仕事をそこで行っていて、だからこその傑作がたくさんある。それをぜひ体感してもらいたいから、私は私のやり方で開催したいと思います。

 

ちなみに『Your Orchestra』は現在ウェブサイトからYou Tube までお掃除中。ロゴから作り替えております。お金がないからこういうことも全部自分でやるんだよ……。

 

それとね、それとは別にアイティ個人のアーティストとしてオリジナルやらやりたいことを聴いて頂くためのライブ、これもやりたいと思っています!ちなみに寝込んでいたから何もしてないかっていうとそうでもない。体幹を鍛えたり姿勢を改善、足の使い方、立ち方……演奏についてはこの籠っていた間に力がついた!と思う!

 

そうそう『Your Orchestra』というのは、文字通り『あなたのオーケストラ』なんだよな!これからの時代は今までのクラシックのイメージとは大きく違う楽しみ方で提供していきたい!そう感じてもらえるよう私のちょっとしたアイディア、考えも付け加えております。ま、開催できなかったら路上で弾くよ、私は。この漢字日記のタイトル通りだ。

 

お知らせまで、ちょっと待っててね。

 

写真は、昨日の誕生日に撮った近影。決意と共に。

 

2022.0826『原宿仮面舞踏族 Dear Amadeus』

原宿仮面舞踏族。

出演:アイティ(Vn,Vocal,Dance) 堀部ともよ(Piano) みやび(Percussion)

これだけでは、なんのイベントだか分からないであろう。

 

ドレスコードは仮面。

Dear Amadeus.

 

仮面が必要? Amadeusってアマデウス・モーツァルト?

 

まばたき厳禁、幻惑楽団。

今宵は音に惑わされん。

 

楽団だからコンサート、それも惑わされるような音楽。

 

舞踏族とは?

 

謎に包まれたような会を原宿ラフォーレのすぐ裏カーサ・モーツァルトにて8/26の夜に開催します。

 

主な演目はドビュッシー「月の光」、ラヴェルのヴァイオリンソナタ、モーツァルトのピアノ……モーツァルト信奉者によって作られた会場カーサ・モーツァルト、モーツァルトを信奉した作曲家たち、それらをアイティ風にアレンジ。仮面が必要なほどの大アレンジ。

 

それと今回面白いのは、共演のピアニスト堀部ともよさんとパーカッションのみやびちゃんの間柄(詳細はこちら)。

 

アイティアレンジによって生まれてくる音、空間、まるごとお楽しみください。

 

『原宿仮面舞踏族   Dear Amadeus』8/26   19:30開演(19時会場)

会場:カーサ・モーツァルト(東京都渋谷区神宮前1-10-23-3F)

入場料4,000円(1ドリンク付き)

ドレスコードの仮面は、当日会場でもお配り致します。お好きな仮面でのご参加も大歓迎です。

ご予約は、Instagramメッセージよりお願い致します。

 

主催:I.Tism 共催:一般社団法人カーサ・モーツァルト スポンサー:華鍼灸治療院

 

今回スポンサーの華鍼灸治療院とは、東洋医学のプロフェッショナルでアイティが身体のメンテナンスをお願いしています。通い始めてから演奏がグンと向上してきた!スポーツ選手のようにメンテナンス必須なんだな。ちなみに主催のI.Tismはアイティ個人事務所(まだ何もできていない)です。これから活動を増やしていきたいのでぜひ応援よろしくお願い致します。

 

 

『悩』 2021.2.5

おかげさまで、こんな時節ながらなんとか活動はできておるのですが

なんとも、悩ましいことが多い。

 

私は自分で全部決めていることが多いからなのでしょうけどね。

 

あと、考えてみたらやっていることが多いんだよな。

自分の発信の他にユアオーケストラ、宇宙人招聘。

 

意味がわからない。宇宙人招聘って何?

 

でも、楽しいよね。ジャンルフリー。

 

ちょこちょこ気になることはあるんだよ。

クラシックは、合図を呼吸や動作で行う。ロックやポップスはカウントを口で伝える。

 

楽譜や音楽への道筋もまるで違うし、違いを挙げていったら百年経ったって終わらないや。

 

そんな一個一個の違いを瞬間で解消したりしなかったりしながら慎ましく生活しております。

だって、私ヴァイオリニストだから。

 

 

悩んでたって永遠に弾いてるや!

そんな、今日でした。

 

写真は、これがないと生きていけない低血圧民救済飲料です。

 

 

アルバム 『Paganini Meetings』

コロナですからね。

通常の音楽会は、なかなかできない。

 

というわけで、作りました。我らのパガニーニのためのアルバム、名前もPaganini Meetings!

 

Paganini Meetings っていうコンサートシリーズのタイトルそのまんまなんですけどね。

これは、ヴァイオリニストアイティとギタリストトミーとパガニーニの邂逅、という意味合いも実はあるのです。

 

今回のアルバム、かなり突貫工事ではありましたがトミーのスタジオで録音をし、ジャケットその他外側は私が作るという見事なまでの分業によりこの度の発売に漕ぎ着けました。凄かったよ、年末から。こんなの私たちでないとできないと思う。全てにおいて。

 

曲目は、これまで我々が演奏してきた中から「録ってみたい」「珍しい」「面白い」という観点から決めました。そうでなくても、ヴァイオリンとギターのデュオは珍しいものですから、珍しい×珍しいのハーモニーで楽しんで頂けたらな、と思います。

 

このアルバムは、コンサート物販と通販で販売しますのでダウンロードはございません。ご了承ください。

通販サイトはこちら

 

まだまだやりにくい状況が続きますが、我ら音楽家は音楽をせずしては生きてはいけぬものですので、なんとかして音楽をやり続けてみせようという魂胆でおります。乞うご期待。

 

『治』 2020.1130

思えば、この8月から弾くことでひどくくたびれていた。8月の終わりに本名で請け負ったオケの仕事があったのだがうちでさらっていてもリハも当日も疲労が半端ではなかった。そのときは、プログラムが通常の2倍のボリュームだったことと第2Vnのトップだったため責任もあるゆえでのストレスだと理解していた。

ただ、この頃から疲労が本当に酷くなり、私はヴァイオリニスト人生について絶望的な気分になっていったし、ヴァイオリニストとして生きるのでなかったら自分の人生はないに等しいから、単純にヴァイオリニストを諦めたらいいとかそういうことではないこともあり、本当に辛かった。

 

ただ、その後急展開で様々な助言、ご尽力を頂き、改めて私はヴァイオリニストになるんだ、と実感できるようになってきた。このへん、合間に気分は我が世の春でもあったよ!

 

まぁ、宇宙人のお友達もできたりするのですが。

 

で、その疲労やストレスで極限状態だった頃に救急搬送されてしまって。ただでも、これは私の生き方を助けてくれる対処法が見つかったという意味で非常に良かったと思っています。

 

そんなこんなで、先日は仲良しのトミーと依頼された公演の打ち合わせで茅ケ崎行って、会合のあとは二人で昼から呑んで、海を見て。それできっと安心したんだろうなぁ。

 

風邪を引きました。

 

実は昨日もほとんど寝込んでたんだよ。オンライン打ち合わせとかあったけどさ。

で、今日は久しぶりに。本当に久しぶりに軽め一人前のご飯を一食食べられました。最近本当に食が細かったからだいぶ体力落ちてたんだろうな。ちょっと食べることができて、ホッとしている。心と肉体の繋がりはあるんだ。

 

まぁ熱も出てないし、怠いとか眠いとかいうだけなのでご心配なく。きっと明日には治ります。

写真は、古本屋で仕入れた宮城道雄本。これ、宮城道雄記念館の館長さんが書かれたらしい。「春の海」奏者として読んでおきたいと思うのです。

 

そんな、今日でした。

2021.1/17『Paganini Meetings8』

昨日は我らがオールパガニーニシリーズPaganini Meetings7を無事開催でき、ご来場の皆様大変ありがとうございました。

「パガニーニってこんなに面白かったの!?」って声もあり、そう。そうなんです。

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『目』 2020.1012

都会生活が長いからなのか、目の使い方がおかしくなっていたようだった。

 

私は裸眼である。

 

それが、この都会で独りでクラシックのヴァイオリン活動を展開するというある意味緊張が常にある生活のせいか、物の見方がおかしくなっていたようだ。ふと、気がついたら見なくていいような駅での光景、街中の看板、物体、それらをつぶさに観察するかのように凝視していたようだった。

 

なぜ、そのことに気がついたかというと、YouTubeを本格的に始めてにPC画面を凝視する時間が今までの数倍ほどに増えたからだ。特にDTMに取り組み始めたことが大きい。

 

先週の今頃、私は書物を開いても数分しかもたない自分に危機感を覚えたのだが、

そのときふと

あぁ、見なくてもいいものは見なくていいんだな

と急に肩の力が抜けたような感覚となり、その日から「敢えて見ない」生活をしてみたらだいぶ調子がいい。

 

これが、目だけの問題ではなく頭もすっきりと穏やかになってくるのだから不思議だ。

思っている以上に余計な雑踏にかき回されやすいのかもしれない。

 

おかげさまで、件の書物は最後まで読み終え、こうしてブログ更新もできるほどになったから嬉しい限りだ。

 

これにより、より周囲を誤解させることがあるのかもしれないので、それについてはあらかじめお詫び申し上げておく次第であります。何故なら、私は何も見ずに何も考えていない時こそ「すごいこっち見てるよね」とか「どうしたの、何かあったの」などと周囲の方々をそわそわと落ち着かない気分にさせてしまうからなのです。無駄に目が大きいからであるようです。申し訳ない。

 

写真は、三省堂本店で仕入れた亀の子タワシのスポンジ。楽しそうでしょ?

そんな、今日でした。

 

狂おしいほどパガニーニ『Paganini Meetings7』

『Paganini Meetings7』11/1 14:00~

パガニーニ。

世間一般でのイメージは超絶技巧、伝説のヴァイオリニスト……、ちょっと詳しい人なら悪魔のようなヴァイオリニスト、だろうか。

 

実は、彼は同時代の音楽家たちにもっとも影響を与えた人だと言われている。

そうそうたる歴史的音楽家たちが、総じて彼の演奏を聴きに行き、涙し、生き方を変えるほどの影響力があったようだ。リストを始めシューベルト、シューマンのところは夫婦で驚いたようだ。ワルツで有名なヨハン・シュトラウス、あのショパンだってそうだ。ずっとあとになってロシアのラフマニノフもパガニーニのカプリスを元にした、更に悪魔が飛び交いそうな曲を書いている。パガニーニの主題による狂詩曲。ラプソディーのことだが、狂った詩とはまさにパガニーニのイメージそのものだ。

 

特に、リストが受けた影響は顕著だったようだ。このリストという人も音楽史において革新的なことをやっている。きっとその元になったのがパガニーニだったに違いない。

 

パガニーニ。その人の曲はどうなんだろう。

いわゆる超絶技巧が繰り広げられる協奏曲は、音楽としては目新しいものはない。だって、パガニーニは自分のテクニックを知られまいとして、オーケストラが初見でも弾けるような簡単な伴奏しか書かなかったからだ。彼は、演奏会のその日にしか譜面を渡さなかったしすぐ回収した。

 

無伴奏で弾く24の奇想曲。これはなかなか奇想天外で珍しい。

 

更に言うと、彼の晩年に書かれたバルカバ変奏曲。これは、その奇想曲と双璧として書かれたもので、奇想曲並の超絶技巧を必要とする上にギターの伴奏がまた微妙な具合で効いている。実は、これこそがパガニーニの作曲家としてのセンスの発露がある作品ではないかと思う。オーケストラ伴奏の曲とは、まるで異なる妙なるセンス。演奏は非常に難しい。技巧の他に、独特な何かが必要となるのだ。なぜ、ギターとのデュオにはそのような要素を入れたのか。それは彼がギタリストでもあったからなのだろう。そう思う。

私は、このバルカバ変奏曲集をギタリスト富川勝智氏と取り組み続けているから、彼のギター視点での音楽作りを肌で感じている。

 

パガニーニはギタリストだった。その知られざる事実を元に、彼の音楽性をお聴き頂くシリーズ『Paganini Meetings』。次回は11/1です。ヴァイオリニストとしては、彼が同時代の天才音楽家たちを天に昇る心地にまでさせたその音色と表現力を追求したく思います。

パガニーニ・ミーティングスVol.7

2020年11月1日 

14時開演(13:45開場)

出演 Vn:アイティ Gt:富川勝智

会場 M’s cantina

入場料 前売り2500円、当日3000円(ドリンク別途)

ご予約 03-6450-8111 t-moment@kmd.biglobe.ne.jp

主催     moment

 

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

 

 

『幅』 2020.0906

この夏はだいぶバテてしまっていて、このサイトもほとんど更新できなかった。雨の国、佐賀県で生まれ育ったのに、湿気に弱いのです。まるで楽器と同じである。

 

そんな中、昨日はおかげさまでオールパガニーニプログラム『Paganini Meetings6』を開催でき、お客様にもお聴き頂けたしアルバム『我儘なソリスタ』もお買い上げ頂いた。

 

で、数少ないコンサートの合間は何をしているかというと、

練習をするのはもちろんのこと、まぁ日々の動画も撮影しているし、あと案外忙しいのは私は趣味と実益を兼ねてバレエをやっているから、夜寝る前はストレッチとバレエで、バレエ用ストレッチというのは凄まじい筋トレでもあるので非常にくたびれる。ただでも、そのぶん鍛えられると思ってやっている。それに、私は踊れるようになりたいのだ。

 

そう、踊り。

 

あと、皆さんご承知のように私は文学好きでもあるから、自分も書きたい。いろいろな書物に手を出していて、あぁほんとは幼い頃のように一冊をほとんど覚えきるように読みたいなぁ、そうできたら素敵だろうなぁ。

 

それはそうと、ピアノの練習においては、まず暗譜することを心がけるようにした。ヴァイオリンの練習は、音階や基礎練習、練習曲、曲、全て暗譜することから始まっていて暗譜してからが自分と音楽との関係になっていくのだが、ピアノはあまり暗譜したことがない。私のピアノが上手くならないのはここにも原因があると思い、今やさしいバッハから暗譜に取り組んでいます。これは作曲のためでもある。

 

そんなわけで、たいした人生でもないのだが、こうして幅広く芸術を行っていきたい、と思うのであります。写真は、最近アップしたロック動画のサムネイル。かっこいいからぜひ見て下さい。

そんな、今日でした。

動画はこちら