パガニーニ

『動』 2019.0602

意外に思われるかもしれないが、私は運動神経が良くない。

というより、運動全般が苦手だ。

 

バレエは大好きだし、振り付けを覚えるのはわりとすんなりとできる。音楽と似ている部分が多いからだと思う。難しくてできないこともあるけれど、理想形のイメージを持ちやすいから、運動に比べるとずっと楽に取り組める。芸術性があるから楽しい。

 

運動は、痛みを我慢しないといけないことも多いし、それもあり苦手です。

高校のとき、授業でバレーボールをしないといけないことになったときは、辛くて仕方なかったな。ボールが腕に当たることが痛くて痛くて、なんでみんな痛がらないのか不思議だった。今考えてみると、私は皮膚が薄くて弱いからそういった衝撃にも弱いのかもしれない、ということなのですが。

球技全般苦手。楽しみを覚える前に、やりにくさや辛さを感じてしまう。そもそも走ることが全く好きではない。走ることに爽快感を感じたこともない、インドアな人間なのです。

バレエをしていたから、体操は少しできたけれど、跳び箱は全くできなかった。あの大きな箱を前に、跳ぶことが怖くなってしまう。

 

で、私以外の家族は、みな運動神経が良いのです。なんなんでしょう。亡き父親だけは非常に悪かった。私は彼の血を立派に受け継いでいるといってもいいのかもしれない。彼が踊りを踊れたかは知らないが。

しかし私の話に戻すと、自転車に乗ることも家族に反対されるくらい、運動においても社会性がないと言える。(これについては彼も下手であったと思われる。)

 

なんですが、パガニーニ弾いてると、ほんとに運動神経が良くなるような気がする。動きが軽くなってくる。楽しい。

不思議だなぁ。

 

そういえば、球技全般苦手といいながら、ゴルフは好きです。アメリカで覚えた。でも下手くそだから、ちゃんと習ってみたい。あと、球技ではないがスキーも好き。これも稚内育ちのいとこが教えてくれたのが良かった。このへんは、走らなくていいからかもしれない。

と、くだらないことを考えているうちに夜になってしまった。

 

写真は、脈絡なく私の寝室の時計を意味深に。

そんな、今日でした。

踊ったりもしたいソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

 

 

 

 

『面』 2019.0531

今日もとみーとパガニーニ・ミーティングスのリハーサルだった。

公開の場でも、とみー、と呼んでしまっているけど、本名富川勝智。クラシックギタリストでは有名な人です。

 

とみーは、今日も面白かった。

が、何を話したか覚えていない。そんなことより、私はパガニーニの自分のパートが難しいのだ。そもそも超絶技巧がポンポン出てくるし、ギターの合いの手がまた妙な具合に書かれていて、あぁパガニーニとはいかに奇人であったのか、思い知らされる。

特に、日本で演奏された記録がないというある曲が大変なことになっている。

 

けど、面白い。

 

あ。面白かった、と思ったのはおしゃべりじゃなくて、曲を仕上げていく道のりだったのか。そうだな、難しくてしゃべっている暇なんてそんなになかったものな。

 

で、合間の休憩に私は昨日から始めた逆立ちをして、とみーに「それ、逆立ちじゃないよ。」と言われたりしていた。いいんだ。数十秒ですっきりするんだから。

それにしても、パガニーニは弾けば弾くほど楽しいなぁ!気持ちがいい軽い運動をしているみたいだ。もっとこんな感じが大きくなるといいな。

 

写真は、夏部屋になった我が家に珍しい、ギターの足台。クラシックギタリストには必須なんだな。

 

そんな、今日でした。

こっちもがんばるぜ。ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

 

 

 

 

 

『逆』 2019.0529

ついさっき思いついて試してみたことなのですが、

何かというと、

 

練習の合間に逆立ちをする。

 

これがとても良さそうだった。

 

前にもいつかの日記で書いたとおり、楽器を弾くことと心身のバランスを整えることはつながっていると思っていて、日々里山散策に出かけたり朝散歩を行っているのも、全てそのためなのです。外に出かけられないときは、部屋の観葉植物を愛でていたり、とかね。

で、昨今の私は何しろパガニーニという恐ろしい人の作品群に向かっておるので、そういったことをより考えております。

 

小休止を入れながら練習するのだが、そこでストレッチをしたり軽い体操をしたり。で、その取り組みに簡単な逆立ち(といっても腕で支える筋力はないから頭で支える)を取り入れてみたら、いいですね。脳の働きも良くなるかのような感じがする。

脳の働きというのも不思議だな。

最近気が付いたけれど、演奏には動体視力の良さも必要ではないか、と思うし、人の認知の9割以上は視覚情報によるもので聴覚情報からは少ないんだよな。音楽家はきっとそれが多いんだろうけど、人本来の機能としては視覚からの認知を脳はしやすいわけであるから、それを工夫したほうが楽に演奏できるんじゃないか、という気がする。少なくとも練習するときはそうだ。楽譜の見方によって演奏はずいぶん変わってくる。そしてその楽譜を見ることは動体視力も実は大きく関係しているのではないかなと思う。音楽の流れにより耐えず動く手の動きと併せて譜面を見る、というのはその辺の能力も関係していそうだ。

 

とか、そんなことを思いながら過ごしているので、毎日練習部屋と山との往復なんだがこれはこれでとても興味深く、楽しい。

 

写真は、山にある水車小屋。今日の山は実にいい空気と風だった。

そんな、今日でした。

ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

『諦』 2019.0525

今日はいろいろと諦めた日でした。

 

最たるものは、ジムに行くことを諦めたこと。あとは、挙げればきりがない。

そもそも身体が弱いから、やりたいことをやりつくせないのだ。特に、このような気候の変動が大きいときには仕方ない。

と、自分を慰めています。

 

それにしても、最近の私の興味の対象は専らパガニーニ。それとカール・フレッシュである。

カール・フレッシュとは、ヴァイオリンの優れた音階教本を残した人であり、その人名が教本名となり(ハノンと同じ理屈ですな)、音階と言えばカール・フレッシュ、というのがヴァイオリン業界の常識である。(初歩者は小野アンナです。こちらも素晴らしいので、これをお読みの初歩者は丁寧にさらうこと。)

先日、ハイフェッツがパガニーニの協奏曲は録音しない、という肝が冷えた話をご紹介したが、このハイフェッツが恐ろしいほどカール・フレッシュ好きだったの。

毎日よくカール・フレッシュをさらったのですって。

 

ハイフェッツという人は、晩年にはマスタークラスを開講し、世界中から優れた若手が受講していたのですが、ここでのこれまた恐ろしい話がね、

 

入学して最初の1年は音階だけ。

 

どんなに弾けても音階だけ。

 

徹底して音階以外レッスンしなかったらしいの。。。

 

恐ろしい話だと思いませんこと!?

 

あとハイフェッツの恐ろしい話と言えば、ピアノもとんでもなく上手かったということだな。

やめてくれ。

 

あぁ、本音が出てしまう。普段は隠そうと努力しているのに、今夜はまるでだめだ。諦めるほかないや。

 

そんな、今日でした。今日も間もなく寝るよ。写真は、最近の山散策で見つけた木苺(だと思っている)。目の醒めるような愛らしさには、敵わない。

 

音階は披露しません。 ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

『黒』 2019.0524

こんばんは。

本日も眠くて仕方がない田中幾子の枕日記をお届けいたします。

 

8時半  起床。朝食後、練習をする。

12時  山に行く。

13時  帰宅、昼食。

 

今日の前半を書きだすと、こんなものである。

 

このあと、ジムでサウナに入るなりピアノの練習をするなりしているのですが、

結論としては、もう眠い。そして、既に寝間着に着換えている。正に枕日記と称して差し支えないであろう条件が揃っていると思われる。

 

で、案の定本日も音階セヴィシックの麗しい時間を経てパガニーニをさらっておりました。

 

不思議なもので、やっているうちに身体にすんなり入ってきている。これは、やっているうちに自分の理想形が見える感じ。現在のところの理想形なのだが、これが見えるとだんだんとその作品、その作曲家が好きになり興味が湧いてくるし、もっと弾きたくなってくる。

 

実は、中高生の3年間ほどヴァイオリンをやめていたという黒歴史をもつ私なので、再開してから10年ほどは恐ろしく下手くそだったし、それこそパガニーニのような超絶技巧は自分の生涯で触ることはない、と思っていたので改めて不思議だなぁと思う。

これが、理想形のイメージを持てないものは絶対に弾けるようにならないのだ。と私は自分自身について思う。

 

で、身体も虚弱だからか、奏法も独自路線を突き進んでいるところがあり、最たるものは左手の押さえる力をかけない、というところだな。指の力が弱いからそうしないと弾けないのだ。でも、ヴァイオリン奏法の基本は左手は指板を強く叩く(昔のソリストなんか叩く音が聞こえるくらいだったという)というところから始まるから、今の弾き方にしていくのも相当悩みもあったし、それこそ左手でピチカートをやるパガニーニは絶対無理だと思っていたのだ。

救いだったのは、私の先生も「押さえなくても音が鳴るから、いいのよ。」とおっしゃっていたこと。それと、旧ソ連の大ヴァイオリニスト、ミルシテインがそういった奏法を称賛していたという記事を弦楽雑誌で読んだこと。

それで、よりその路線で自分の奏法を開拓している最中でございます。

 

この路線を進むにつれて、

体力との兼ね合いや、本番の緊張感でできること、集中力。等々全体のバランスをよく考えるようにもなってきた。

なので、練習の合間を縫って体力増強のために里山散策にも出かけているわけです。

 

そうこうしているうちに、かのパガニーニにおいても理想形のイメージを抱けるほどになってきたことが、自分としても嬉しい驚きなのです。

 

ですが、今日は暑かったね。

 

だから、お昼ご飯は世間に甘えて楽しんじゃった。

冷凍のアクアパッツァ向け魚介類(半額であった)でパエリア。ビールだけは我慢してノンアルである。

加えて、インスタ映えするような写真まで撮ってしまった。(インスタに載せる予定はない。)

 

そんな、今日でした。おやすみなさい。

 新境地を開拓しております ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

 

『撥』 2019.0523

今日はとみーとパガニーニ・ミーティングスのリハーサルだった。

お互い、自分が主役となる曲では「難しー」を連発し、「練習しよ」が合言葉となった。

 

私はわりと不器用な性質で、誰とでもうまく合って弾けるほうではないようだ。だから、自分が心から弾きやすくてとことん発揮できる相手というと、今のところ数えるくらいしかいない。まぁでも、おかげさまで最近はいろんな方々と様々なシチュエーションでやることが増えてきたから、人見知りな音楽性も少しずつ外交的になってきている気がしている。

 

とみーとは、去年から何度か共演して、彼の周囲のギタリストの皆さんとも親しく交流させて頂いているから、なんか安心できるんだなぁ。

不思議なもので、こういう安心感というようなものは、いくら回数を積んでも感じられない場合もあるし、このあたりは人と人との組合せの妙だと思う。

 

そういえば、初めてやった頃は、ギターならではの発音の速さに慣れないでいた。撥弦楽器は、我々弓を使う擦弦楽器や打楽器でもあり弦楽器でもあるピアノと比べて、音が発音するのが速い。音を出すために必要なアクションを楽器に加えてから、実際に音が出るまでの時間が短いのだ。(ピアノは逆で、それがとても長いしその長さは人によって違うと思う。その時間が私は大好きで仕方ない。)

今年はまだとみーとやっていなかったけど、その違和感はなかったな。

まだまだ、ギターのこともまるでわかっちゃいないけど、こうしているうちに少しずつ私の中にギターが浸透していくんだろうな。

いやぁ、なんでもその道のうまい人とやるのが一番だね。私が1年しか習っていないピアノを多少なりとも弾けるようになってきたのは、大好きなピアノ共演者たちが抜群にうまい人ばかりだから。

だから、この道筋でいけば

いずれはギターも少しは弾けるようになっているはず。

 

それを信じて、そして

 

そんなことより今は目の前のパガニーニだぜ。と、練習するのでした。

 

写真は、最近の山の様子。谷戸田

に抜ける風が気持ちいいところなのです。

 

そんな、今日でした。

ピアノと歌はやるけど、ギターはやりません ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

 

『肝』 2019.0522

最近パガニーニのことを少し調べていたのですが、とんでもない事実を発見した。

あの、あの神様のような大ヴァイオリニストが彼の協奏曲は録音を残さなかったというのだ!!

理由は「難しい曲は録音しない」ということだった。

 

といってもなんのことだかおわかり頂けないことは承知のうえでの始まりです。

 

あの神様のような大ヴァイオリニストとは、かのハイフェッツのこと。

 

凄まじい超絶技巧での演奏のインパクトたるや、こんなに凄い人はいないと思うのに。

 

そんな人がパガニーニの協奏曲は残さなかっただなんて。。。

 

そうでなくても高いハードルがまた更にぐっと上げられた感じである。わりと「知りたくなかった」事実。今までの私が「知らぬが仏」だったのか。

 

ハイフェッツといえば、ウィニアフスキのスケルツォ・タランテラ(これも滅茶苦茶難しい)を起き抜けに録音した演奏が凄まじいとか、音階の鬼だとか、いろんなエピソードがあってそのどれもが強烈である。しかも、ピアノもおそろしく上手かったとか。

それだけ凄い人だからわかる難しさというものがあるのだろうな。。。

 

改めて、音楽の恐ろしさを感じて肝が冷えた。

そんな、今日でした。

 

写真は全く無関係な高速のジャンクション。

 パガニーニを弾いていいのか不安になるけどがんばる ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

『家』 2019.0521

いやぁ、今日は家にいた日だった。

たまたま予定がなかったし、体調は今一つだし、練習したいし、等々の理由でほとんど家にいたのですが、

低気圧というやつにやられもしていました。こんなことでくらくらしたりする時間がもったいない。

 

まぁでも、最近の中では少し練習できた日だったかな。例の熱以来あまりいい練習ができていない気分だったから、良かった。

 

昨日の中目黒らくやでの本番から一夜明けて思ったことは、ああいう形の演奏のときは音程やリズムを普段と変えたほうがいいだろうな、ということ。クラシック音楽での演奏とは聴こえ方も考え方も違うから、自分なりにいい音楽を探したいなと思います。

 

と、思いながらも今日はひたすらとみーとのパガニーニ・ミーティングスでやる曲の練習。日本初演(?)らしき曲が予想以上に難しかった。さすがパガニーニだぜ。なにが難しいと言ったら、そうでなくてもちょこまか彼の技が効いているのに調性が凄まじく変化するのだよ。シャープ6つの曲なんて滅多に弾かないからなぁ、異名同音のつもりでやったほうがいいのかしら。またそれも研究してみよう。

 

写真は、昨日の楽屋②。楽器がたくさんあった。

そんな、今日でした。

ここでもパガニーニ弾いていきたいな。ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

 

『楽』 2019.0518

今日は、私の「雨女」のレコーディングでした。

歌ヴァージョンと、ヴァイオリンヴァージョンとある。

 

私のレコーディングの場合、自分の作品を自分で弾くというコンセプトに基づいておこなっているので、伴奏パートも全部自分で弾いていく。それを聴きながらまた歌ったり弾いたりしていくのですが、

これがたいそう楽しいのです。

 

スタジオでの数時間はあっという間だった。普段と違う集中力で慣れないから、楽しいながらも思った以上にずいぶんと疲れたようでもある。(だから、今夜も早く寝よ。)

 

そういえば、今朝作詞の湯木緑先生からメールが届いており、訂正された歌詞が添付されていた。

「本番はこれでいってください。」とのことだったので、急いで譜割りをし、なんとか仮歌が録れた。

 

今までは、私がまだ歌に慣れていないから歌いやすい歌詞にしていた、ということらしい。

 

仕上がったら、先生にも聴いていただくことになるんだろうな、お会いしたことはなくて、ずいぶん大御所なお方と伺っているのだけど、なんと言われるだろう。

 

それにしても、あっちにもこっちにも先生がいっぱいで、緊張感いっぱいだ!

 

明日は、 Yuuki くんの本番に向けての練習と、パガニーニをやろう。昨日と今日は基礎練習が少ししかできなかったからそこからやろう。

 

レコーディングの続きがまた楽しみだな~。

 

そんな、今日でした。

生でご覧ください。 ソロコンサート 2019 0707「青の時代 vol 3」

『大』 2019.0517

こんばんは。

今日は早い時間の更新です。

なぜなら、暑くてバテてもう眠いから。

 

今日は、来週20日、中目黒楽屋(らくや)で出演する Yuuki くんのコンサートのリハーサルで代々木に行ってきました。

ヴァイオリンとピアノと両方弾くのだけど、そのどちらも私としては面白い演奏を創り上げられそうで、満足している。

基本的に歌の伴奏なので、歌詞が1番2番、、、と続いていくときにどうやって盛り上げていこうか、自分で考えることが楽しい。

最初は慣れなくてイメージが湧きにくいなぁと思っていたけれど、そこは変奏の大天才ベートーヴェンの作品を聴いていたらアイディアは無数にある、と思った。

で、アルペジオやリズムを私の好きなパターンに置き換えて次のメロディにぐっと持っていくとか、あるいは急な静寂を演出するとか、

 

いやぁ、音楽って楽しいな!

 

で、今日はバテバテだから

パガニーニは明日練習するの。。。明日は先日延期になった「雨女」のレコーディングもあるの。

 

写真は、食欲なくなっちゃった今日の私を支えてくれた大きいサイズのスポーツドリンク。スタジオ近くのコンビニで売ってたんだ。良かった~。

 

そんな、今日でした。