ヴァイオリン

秘話

この夏、初めて自分の小説というものを世間に向けて発表した。

『ふうあーゆー』というタイトルで、男子高校生が主人公の、現代ファンタジーだ。

 

現在も連載中で、この文章を書いている本日も、続きを公開したばかりなのだが、

 

実は、これはもう全て出来上がっている。

 

泣いても笑っても、この先の展開とラストは想像主たる私の意思決定の通り、というわけであります。

 

で、私は、

これを書くに至った背景をいうのを、かいつまんでお話ししたい。

 

何しろ、こういったエッセイというようなものは無数に生み出せるタイプではありますが、実は小説は全く書いたことがない。

では、なぜ書くのか。

 

実は、昨年11月頃から取り掛かっている『雨女』という小説がある。そのサウンドトラックとなる音楽は出来上がっているのに、肝心のお話しができあがらない。テーマ曲とサントラになる曲もyoutubeに発表している。

 

こんなに難しいのであれば、少しこれから離れて違うものを書いてみよう。

内容は、どうしようか。明るいものがいいな、短くて。あぁ、ファンタジーにしよう、それで全部決まる、うん決まった!

 

今年の7月くらいかな?お風呂で入浴しながら20分くらいで考えた内容で、その日の夜には全部書き上げてしまった。気持ちが良かった。

 

この世界のイメージで曲を書く。

 

曲の最初のメロディはすぐに決まった。だって、この話を表す雰囲気はこれしかないもの。

 

大切にしたいもの。誰の心にもあるもの。

手の中でそっと感じていたいもの。

そんな感じを最初のメロディで表したつもりだ。

 

中間部は少し迷った。

 

でも、誰しも人生は冒険と挑戦。ダイナミックなはずだ。

 

そう思って、ダイナミックな動きを入れた。元より、好きな進行だ。

 

大切にしたい、

 

そんな気持ちを大事に扱ったつもりの作品だ。

 

私の悪い癖で、

音楽を聴いてもらえば、全て伝わる。

 

そう、思ってしまう。

 

具体的にご説明すると、

出だしのメロディは

誰しも心の奥底に抱いているであろう、ひっそりとした思い出。あまり人には見せないもの。

中間部は、その人が生きる道筋、受験や引っ越し、人との出会いと別れ、いいことも悪いことも起こるけれども、前向きに生きる様子

また戻ってきた最初のメロディは、中間部を受けている、でも本来のあなたがいるよ。

youtubeは短めでここで終わっているが、本当はもう少しだけ長い。

 

 

小説と音楽の一体。

未熟ですが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

 

テーマ曲はこちら

『友』 2019.0902

毎日、山に行ったり、練習したり創作したり、という日々であるので、

いわゆるキラキラしていそうな、要するに”インスタ映え”するようなことはほとんど私の日常にない。

 

例えば、女子会というようなものも行ったことがないし、

仕事以外で友達と会う、ということがほとんどない。

 

なぜかというと、

 

私が思う友人とは、

 

一緒に音楽の舞台で芸術を緊張と愛情を抱きながら表現し合える仲間

 

という感じだから。

もちろん、音楽家でない友人という人とだったら、そんなことはないのですが。

 

でも、この一瞬を共に創り上げられる友人というのは、最高の友達だよな、と心から思うのです。

 

で、そういう人はいつも忙しいし、一番の会話は、やはり一緒に弾くこと。

 

だから、なかなかそれ以外では会わないんだよなぁ、たまに近況報告もするけどさ。やっぱ、音で確認し合いたいよね、だって、その曲への気持ちもやりたい事も、感性も何もかもそこで思い合えるもの!

 

だから、私が大事に思う友達ともっと仲良くなれるように、

そういう本番の機会を増やせるように、がんばろう、と思うのであります。

 

写真は、久しぶりに見つけたちょうど2年前の私。この日は、ブラックドレスを着て演奏して、ブラックスワンと呼ばれたのだった。

 

そんな、今日でした。

『去』 2019.0831

このところ、秋冬に向けての企画が進行している関係で、ひどく忙しい。

今日も、その準備に追われた一日だった。

 

こうなると、さして感じたことなどなさそうな気がするのだが、そんなことはなくて、

 

虫の音を聴くと、

あぁ、今年は猛暑と言われる日々が急激に訪れ過ぎ去っていったから、日中の暑さは残っていても、もう季節は秋なのだなぁ、

と思うし、

 

この晴れた週末に出かけておられる家族連れを見かけると、

今日の日の外遊びは、さぞかし気持ちがいいことだろうなぁ、いい時間だなぁ、

 

などと、思う。

 

大量のやるべきことに追われていると、いい時間をもっと大事にしたくなりますね。

 

そのためにも、

 

暗譜はより速くやろう。

 

写真は、2週間前の山の田んぼ。

そんな、今日でした。

『覚』 2019.0830

早いもので、もうじき8月も終わりを告げようとしている。

不思議だなぁ、時の流れというものは。

 

芭蕉の書いた「月日は百代の過客にして。。。」という文言の響き、こういうときにいずこからか、思い出す。

 

昨日、暗譜をすると、初見ができなくなる、と書いたばかりなのですが、

あのあと、寝る前にふと気が付いて、違うやり方を少し試してみた。

 

暗記と暗譜と、それぞれ違うやり方でやってきていたのですが、

もしかしたら、今までの暗譜のやり方に加えて学生時代のときのような暗記のやり方でも暗譜に向かったら、自分の中身が少し成長できるかもしれない、と思ったから。

久しぶりに試したそのやり方は、うん。懐かしいしこれも良さそうだ。

 

高校時代を思い出す。深夜に丸暗記して翌朝7時40分からの試験に挑んだこと。

 

もうちょっと慣れたら成果が上がるかもしれないので、そうなったら初見もまたできるようになるのかもしれません。

と、嬉しくなった。

 

そんな、今日でした。

写真は、先日のソロコンサート開演前。踊るのも、好きなんだよね。

『困』 2019.0829

最近、困っていることが一つある。

私は、元々暗譜型なのだが、最近その性質がより強くなってしまって、

初見がかなり苦しくなってしまってきているのだ。

 

子どもの頃から、暗譜が好きで得意だったから、暗譜で弾くことに向いているのだと思う。

加えて、最近の活動は、ほとんどソロで難曲を弾いているから、当然暗譜だし、無伴奏に至っては当たり前のように暗譜だ。

 

バッハのシャコンヌは、私が使っているヘンレー版で、9ページ。

先日のソロコンサートで弾いたメインのコンチェルトは8ページ。久しぶりに弾いたバッハのプレリュードは4ページ、フーガは5ページ。

 

あとまぁ、自作の曲は譜面はほぼ書いていない。今のところ、全部覚えきった状態でやっている。

 

とまぁ、こんなふうであるから、初見でパッと弾く能力がかなり落ちてしまっていて、以前のようには弾けないんだよなぁ。。。

かと言って、初見能力が必要とされるものもあるわけだし、

本当に、困ってしまっているのであります。

 

でも、答えは

私にしかない。そうなんだよね。

 

とりあえず、目の前のことに全力投球。

 

写真は、今日見つけた茸。なんか、大きななめ茸のようだった。

そんな、今日でした。

 

 

『備』 2019.0828

実は、水面下でいくつかの企画が進行している。

と言っても、そんなに大袈裟なものでもないのだが、

やはり、自分にとっては新しい挑戦だったりするから気が抜けない。

 

何を考えているかというと、

要するに、いつも皆様に楽しんで頂けそうなものをご用意したい、というそれだけでなのです。

 

毎日の練習も、正にその一つなんだけれども。

 

しかし、この秋は『パガニーニ・ミーティングス vol.3』にピアノとのデュオコンサート『美会夜会』。そのどちらも準備がとっても楽しい。それだけでも大忙し、という感じなのだが、加えて秘密の企画も進行中だから、身体も脳もいくつあったって足りやしない!いうことになってしまっている。

 

あー。ピアノとのヴァイオリンソナタを弾くのは今年は『美会夜会』で初だなぁ、元々アンサンブル好きだから、輪をかけて楽しみで仕方ない!その他の曲目も、ヴァイオリンが目立つというより、ピアノとのやり取りが面白い曲ばかり。

その準備たるや、幸せで仕方ないよ。。。

 

あと、できるかどうかわからないですが、個人的に頑張りたいことは、

執筆中の小説『雨女』への取り組みと、英語を文法から勉強し直すこと。

 

0と1は違う。その精神で生き延びようと思います。

写真は、姪っ子加工後の田中幾子。

 

そんな、今日でした。

 

『遊』 2019.0827

11月24日のピアノとのデュオコンサート『美会夜会』で演奏予定の、とある難曲がある。

ウィニアフスキという、ポーランドの人のそれはそれは格好いい曲なのだが、私は実はこの人の作風が好きで、技巧的な音列の奥にある歌心、ピアノとのやり取り、こういったことにとても胸が躍るのです。

 

実は、何年か前に本郷にある輸入楽譜専門店「アカデミアミュージック」という、クラシック音楽の世界の人なら誰でも知っている名店なのだが、そこでこの曲の楽譜というより、注釈書に近いようなものを見つけたのだ。

 

それは、セヴィシックという、ヴァイオリンにおけるハノンのような教則本を書いた人による、それの練習本。

セヴィシックの教則本は、子どもの頃からそれこそ大好きである。楽しいんだよね。まるで辞典を読んでいるようで。(私の過去エッセイSecret log『読む辞書、弾く辞書』というのがあります。セヴィシックと辞書のお話し。)

だから、見かけた途端に一目散にレジに向かい購入してしまった。それがいかほどの難曲であるかということも重々承知していながら、である。

 

で、昨日からその内容を練習している。わずか2小節のために数十種類の練習法が書いてある。あぁ、すごいな。セヴィシックは本当にすごい。

 

つまり、遊んでいるようなものですよ。感動もするし、上達もするし、最高のひと時ではないか。

『美会夜会』は、久しぶりのクラシック演奏会の形なので、曲目は近々全て発表致します。

 

写真は、山の里芋。こいつはこいつですごいなぁ。

そんな、今日でした。

 

『代』 2019.0826

ソロコンサートが終わって夜が明けた。

昨夜はなかなか寝付けなかった。

 

芸術的に興奮すると、眠れない。ここのところは眠れていたのだが、先週から弾く感覚が大きく変わったせいか、子どものころの不眠気味な神経に舞い戻ったかのようだ。

あの頃も、発表会の日の夜は眠れなかったなぁ。翌朝、学校に行くことが辛かった。寝不足で頭痛や気持ち悪さを抱えていたのと、日常に戻ることが辛かったのだ。

 

幸い、今は日常という時間が全て芸術のためだから、幸福だ。

 

今日は、11月24日のデュオコンサート『美会夜会』のための練習を軽くしていた。とても気持ちが良かった。一小節に数十分はかけるような時間が心地よい。

ふと、師匠の石井志都子先生がおっしゃった言葉を思い出した。

 

「私たちは、作曲家の言葉を借りて、表現しているのよ。」

 

代弁。表現するものは、己自身でいい、ということか。

今の私にはそう思えて、殊更心強く思えた。

 

写真は、里山散策中に見かけた梨の木。たわわに実る、作物と芸術。

そんな、今日でした。

「迫力」を音にするとこうだ!ヴァイオリン・ピアノデュオコンサート『美会夜会』11月24日19時開演。原宿カーサ・モーツァルトにて。

オールパガニーニシリーズ10月22日『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

 

2019.1022『パガニーニ・ミーティングス vol.3』

2019年10月22日18時より、「オールパガニーニ」なコンサートを開きます。題して、『パガニーニ・ミーティングス vol.3』!

では、前回の内容を軽くご紹介しましょう。出演は、ヴァイオリン田中幾子とクラシックギター富川勝智(以下とみー)の2人です。

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