ご存じ、コロナウィルスの影響により、舞台芸術は当面公演が開催できません。私個人もとても大きな経済的打撃を受けています。なので、お世話になっている会場へ少しでも恩返しのつもりで、売上を公演と同じように分配するCD作成を企画しました。
News
『願』 20200325
だいぶヤバイことになってきましたね。新型コロナウィルス。
さすがの私も、このことについて口にしないわけにもいかなくなってきた。
いや、こういう事態になって思い出すのは、第二次世界大戦中のウィーンなんですよ。
あのとき、目の前で家族や親友がゲシュタポに連れられていく、自分もいつ連れられていくかわからない、そんな状況下。
本当は禁止になっていた音楽会が毎晩繰り広げてられていたというんだよなぁ……。
史実につき、記憶が不確かなもので申し訳ないのですが、
ウィーンフィルや有志による音楽会。そこにものすごい人数が集いそれでなんとか精神を保っていた。ナチスによって上演禁止だったユダヤ人作曲家の作品なんかも演奏されていたんじゃなかったけな。だって、あの「パパパパーン」な結婚行進曲で有名なメンデルスゾーンも、映画『ヴェニスに死す』で音楽が使われたマーラーもユダヤ人ですよ。もっと言えば、歴史に残るヴァイオリニストにもユダヤ人は多い。例えば「愛の喜び」のクライスラーとかね。避けて通ることなんてできるもんか。芸術の前では人種は関係ないと言いたい。
それこそ、当時のウィーンフィルのコンサートマスター、シモン・ゴールドベルグだってユダヤ人だった。彼は連行されてしまって、戦後アメリカでリハビリ後また復帰したけれど。
ゴールドベルグが連行されたジャワ島の収容所でも、音楽は必要とされていて
秘密なんだけど実際は公然と音楽会は催されたんだよな……。
何が言いたいかというと、
音楽や芸術文化がないと人はだめになってしまう。
あの、気がおかしくなってしまいそうだった戦時中のウィーンでも音楽があったから人は明日を生きることができたし、それをわかっていたからナチスも目をつぶっていた。
そうして、そこまでしてやり続けていないと、
音楽って、できなくなってしまうものなんです。芸術家にとって、表現するということは、空気や水と同じようなものだから。表現の場がないと枯渇してしまう。我々が、この状況においても活動をし続けようとするのはそういった理由からなのです。
ここで、一つのツィートをご紹介させて頂くから、よろしければその文面にある通り、各ライブハウスのyoutubeのチャンネル登録をしてほしい。これをお読みの方々は、クラシック音楽や文学好きの方が多いのだと思うのですが、一人でも多くの方に登録して頂き、実際に各youtubeをご覧頂き、一定の条件をクリアできると各チャンネルは
・広告収入を得ることができる
・ライブ配信ができるようになる
よって、ライブハウスが現況でも収益を得られ、且つアーティストたちのライブ配信が可能になり、私のような末端音楽家でも活動の場を確保し続けられるようになる。
ということなのです。
お待たせいたしました。皆さんの返信を中心にライブハウスのYoutubeチャンネルをまとめました!是非片っ端からチャンネル登録して頂いて登録者数1000人超えを目指し、ライブハウスの選択肢を増やして下さい!随時追加していきます。追加希望のお店の方はリプ頂ければ! https://t.co/QpPH80JVFf pic.twitter.com/zEhL6kKaTY
— 佐藤boone学@四谷アウトブレイク店長 (@boone4649) March 25, 2020
やる場所さえあれば、私はいつだってどこでだって弾くぜ。山の上でだってな!
そんな、今日でした。
『譜』 2020.0128
こんばんは。アイティです。
今日は、母校の大学図書館で3/12『幻楽夜話』で使う楽譜をいろいろと調べてきた。今回は、ヴァイオリンのために書かれた曲ではない作品も演奏するため、下調べが必要なのだ。
アレンジ、というやつをするのですが、
アレンジするにも材料が必要。
それも、良質な材料がよろしい。だってさ、センスいいものは古くたってセンスいいのよ。芸術ってそんなものよ。
で、資料として使うために結果として大量にコピーをし、実際に音を出すのはうちに帰ってから。
ほら、早速見つけたよ。「これ、音おかしいんじゃ?」スコアと照らし合わせる。「う~、この音採用したのかぁ。(無言)」
オーケストラの曲をヴァイオリンとピアノで弾いたりするのですからね、それ相当の工夫というものが必要になるわけで、で私みたいな人はこの工夫が超絶楽しいったらありゃしない。
何せ、人生かけて遊んでますからね!
写真は、サラサーテのツィゴイネルワイゼン。自演盤は残された楽譜と違う音を弾いている。
そんな、今日でした。
『弾』20200116
今年は、サラサーテの年となりそうだ。
Twitter、Facebookページでお知らせしているが、3月12日に作家の津原泰水先生の解説を交えて文学に出てくる音楽という内容のコンサート『幻楽夜話』を開催する。既にお問い合わせも頂いているが、ご予約方法など詳細をご案内した告知ページを間もなく公開予定なので、もう少しお待ちくださいませ。
ただ、曲目はフライヤーで発表しているとおり、
クロイツェル・ソナタや、サラサーテのツィゴイネルワイゼンなどを演奏する。
そう、ツィゴイネルワイゼンだ。
去年、パガニーニを山ほど弾いていたときにはまさか自分が翌年にはサラサーテを弾くことになるとは思っていなかった。というのは、ツィゴイネルワイゼンのノリがいまいち掴めなくってずっと敬遠していたから。この人の他の音楽は大好物である。アンダルシアのロマンスとか。
でも、ジプシーヴァイオリンの話しを津原先生から教わっているうちに、なんとなく感触が掴めたんだよね。それで、できると思った。
で、今年は別でもこの人のカルメン幻想曲をやるかもしれなくって、こっちはまた大曲だ。
あと、4月18日に去年やっていた、ほんとに全部自分一人だけで弾くソロコンサートの改定版を開催予定で、この日はものすっごい大曲をやろうと思っていて、只今そっちも練習中。
で、今日はそんなのをやる前にゆったり音階を気分よく弾いておりました。気持良かった。
そんな、今日でした。
2020.0113 『Paganini・Meetings4』
麗しい淑女の旋律、振り返った姿は悪魔だった。
終演 美会夜会
本日『美会夜会』無事終演致しました。悪天候の中、お越し下さった皆様には心より感謝申し上げます。
今日の曲目。
シャコンヌ/ヴィタリー
序奏とアレグロ/クライスラー
ヴァイオリンソナタ/グラナドス
スケルツォ・タランテラ/ウィニアフスキ
バンケット/ I・T
朝もやの中へ/ I・T
雨女/ I・T
バレエ(コッペリアの音楽より)
中国の太鼓/クライスラー
ヴォカリーズ/ラフマニノフ
シンコペーション/クライスラー
クロイツェル・ソナタより第1楽章/ベートーヴェン
アンコールに
韃靼人の踊り/ボロディン(編曲 I・T)
大変な歴史的名曲の他に私の作品も演奏し、バレエも踊ってしまいました。
こうして、音楽と踊りが入る形の会はもっとやっていきたいな。
それにしても、これは伝わっているのかいないのか。私は声を大にして言いたい。
これらを全部暗譜している私は偉大だ。
そう、ショートピースからソナタまでピアノパートも頭に入れて覚え込んで弾く。全く簡単なことではない。
だけれども、過去の偉大な巨匠たちはこう言い残している。
「暗譜してからが練習です。」
うん。
暗譜したほうがより曲を理解できるし、ちゃんと自分のものになる。何よりも、集中できるから。
そこに、楽譜がある限り私は覚え続ける、とは言えないけれど
この暗譜能力(しかも短期間)については自分は偉大だと、自分で自分を褒めているのです。
暗譜しないと、ヴァイオリン一本で路上演奏もできないから。もっと凄まじくがんばるぜ。
ちなみに、世の中には暗譜に向いていない曲というものもたくさんあるので、そういったものはきちんと楽譜を見て演奏したほうがいいですし、私もそうします。
写真は、本番前の最終チェック姿。本番では、これといつもの黒のミニスカートでした。
ご来場、誠にありがとうございました。
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ふうあーゆー⑬
「!」
ハッと目が覚めたら自分のベッドの上だった。
あ、あれ。。。なんで、俺ここで寝ているんだ?
「お、起きたか?」
入ってきたのは、なんと、親父だった!
「あ、え、あれ、俺。。。あの。。。」
「祐樹、お前3日間も寝ていたんだよ。医者に来てもらったけど、なんの別条もないって。」
「え、えぇっ!?」
「今、見舞いにお前のおばさんが来ているよ。」
「え、え、あ。。。」
親父の声は普通だった。普通に聞こえた、ということだ。
猫の聴覚じゃなくなったのか?
手足を見ると、もう普通の人間に戻っているようだった。俺は、戻ったのか?
あれは、夢?で、でも3日間て?
叔母さんが部屋に入ってきた。
「ふーちゃん、大丈夫~?」
え、え、俺また猫の呼び名!と、思ったら叔母さんはふっと笑った。
「なーに、3日ぶりに起きたからびっくりしてるの?ふーってのは、君のパパとママの昔の猫の名よ。」
「ね、ねこ。。。」
「あの二人、若いときに一度別れてたらしいのよねぇ。勉強や就職のためって。」
そ、それって。。。(第13話終わり)
小説『ふうあーゆー』テーマ曲~時空の音色~ 作曲・演奏 Ikuko Tanaka
第一話からはこちら 小説『ふうあーゆー』