Notes

2018.12.10 読む辞書、弾く辞書

読み物としての辞書

 

凡そ、子供の頃から活字としての日本語中毒症状を発揮しているのですが、幼い頃から変わらず好きな書物といえば、所謂辞書。

国語辞典か漢和辞典が最も好み。

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2018.11.16 この晴れた日に

寝込むのは晴れた日に限る

だいぶ冬の様相を呈してきているこの数日。この日は練習しよう!と心に決めていたのに、風邪をひいてしまいました。

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2018.11.10 蒼い空気

溜まる疲労

あまり知られていないことのようだが、ヴァイオリンの演奏は体力も精神力もとても使う。というより、使い果たす。人によるのだろうけれど、元来丈夫でない私は常に精魂尽き果ててしまう、ということが多い。

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2018.10.30  茄子の記憶

秋茄子は嫁に食わすな

 

私は茄子が嫌いだ。

こういうと、誰もが驚く。今まで驚かれなかったことはないし、世間の皆さまがその魅力をとくと語ることができる美味についてそう断言することは非常に申し訳ない気分になるのだが、

申し訳ない。嫌い。

この、茄子嫌いについては、私の亡くなった父親もそうでした。

私自身は、生まれながらに嫌いだったわけではなく、忘れもしない小学校三年生の頃の学校給食でどうにもならない茄子料理を口にしたことで、その性質が生まれ出た、と思っているのですが、

母(こちらはまだ生きている)は、後天的に表れた遺伝を感じているらしい。

 

ちなみに、今まで食べることが(しかもとても美味しく!)できた茄子料理は、以前鎌倉の駅前にあったフレンチで出てきた野菜のソテーとしての茄子と、唯一通う和食屋さんの茄子の煮びたし。

あと、お漬物としての茄子はむしろ好物です。

 

更に言及すると、秋刀魚も食べられない。

 

こんなふうにしていることで、人々に憐みの目を向けられる私なのですが、つい先日とても楽しい「茄子と私」とでも題したいような出来事があったのでお知らせします。

 

このところ、恩師にお会いする機会が続いていて、先日の東京文化会館の数日後は桐朋学園で、そしてそのあと個人的にレッスンでご指導頂きました。

そのレッスンがとても有意義で、先生の門下の末席に加えて頂いていることがとても幸福で、自分のヴァイオリン人生はなんと幸福に満ちていることか、と思うものだったのです。

 

で、そのレッスンに行く前に、知人にそのことを話したら

「以前、茄子が食べられるくらい楽しかった、とおっしゃってましたよ。」

「!?」

なんでも、以前恩師のレッスンのあとにどこだかで茄子が入っているパスタを食べて、その茄子をぺろりと平らげたくらいレッスンが楽しかった!と話していたのだそうだ。

なんてことだ。

 

その話を聞いたときには我ながら随分驚いたのですが(忘れていたし)、

でも、今回もその楽しさと言ったら、焼き茄子(最も苦手)でもいきそうなくらい。いやぁ、洋々たる我がヴァイオリン人生、秋刀魚はともかく茄子ならちょっとだけなら持ってこい!と言わんばかりの喜びなのでした。

 

ちなみに、茄子っぽいものを家で探したら、知人の打楽器奏者が作ってくれた瓢箪の打楽器があったので、被写体はそれで代用してみた。我ながら、あまり似ていないし、そばにあったクラシックギターが色も瓢箪と似ていて、眺めているとその音色や音楽で頭はいっぱいになってしまい、茄子の話を考えているのに茄子のことは忘れてしまう。

自分の人生に茄子を探すことは難しい、と改めて気が付いた次第なのでした。

皆さまの秋に幸あらんことを。

 

 

 

 

 

 

2018.10.22  この季節

秋の空はブラームスのホルンの色

空を見上げると、ブラームスのホルンが聴こえてきそうな高い青。

そんな季節になってきた。(私が言うブラームスのホルンとは、彼のピアノ協奏曲第2番第1楽章冒頭に代表される。)

 

練習も、音楽に必要な作業も室内で行うことがほとんどだから、青い空が恋しくて、できるだけ日中にそれを感じに用もなく歩いたりする。

なんだけど、せわしなさに追われて、気が付いたらもう冬のような夕闇が迫っていて。

 

あぁ、空が恋しいなぁと思っているうちに、別世界のような違う季節に飲み込まれている、そのせわしなさだけはいつもいつまでも変わることがない恒常性を持っている。

変化と恒常性の関係はいかんともしがたいことに気が付いたことが今日の変化。

2018.10.20 2階のレストラン

隣の席に先生が

 

今日は恩師も関わってるイザイ音楽祭ジャパン2018の演奏会。最近イザイの作品を取り上げている私としても気になる音楽祭で、楽しみに出向いて、

会場である東京文化会館にある2階のレストラン精養軒で

友人と向かい合って最近の我々の興味関心について語り合っていたそのとき、

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